里山日記


2007年3月4日
【ワサビ】

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 今年は本当に雪が無い。「これだったら家の山にもいけそうだなぁ」と思っていたある日、大工のNさんから山へのお誘いがあった。今回はワサビ採りだ。売っている葉ワサビは食べてことがあるが、自分でとったことはもちろん無い。
 天気のいい日曜日、朝9時のゆっくりした出発だ。国道からそれて山道に入る。少し進むとこの道が何ともすごい。両脇の木や草で車がすすめなくなってしまった。それほど遠くないという事で、車を置いて歩いていくことにした。
 少し進むと道の真ん中に杉の木が生えている。実生から大きくなったもののようだ。それだけこの山に入る人がいなくなったという事なのだろう。
 10分ほど歩くと、どうやら目的の場所に着いたらしい。Nさんがワサビを採るらしき支度を始めている。暖冬とは言え3月の初め、まだ雑草もそれほど生えていないのに、見渡してもどれがワサビなのかさっぱり分からない。 「ほれ、そごの丸こい葉っぱ」、言われたところを見てみると、道端のあちこちにいっぱい生えている。これだったらキノコ採りよりずっと簡単だ。 30分もしないで袋にひとつ採れた。自家用には充分すぎる量だ。
 道の脇を流れている沢で、土を洗い流す。沢の水は思ったよりも冷たくない。雪解け水だけでなく湧き水も多く流れているせいだろうか。メインは葉っぱなのだが、根っこもそれなりに大きいものもあった
 家に帰ってからもう一度ていねいに洗う。酒粕を使ったワサビ漬け、根っこを下ろして作ったワサビマヨネーズのサラダ、それに刺身も買ってきて本ワサビ。今年は正月から食べることができたバンケ味噌もあわせて、今日は旬の味を堪能した。
 旬のものをその時期にいただく、それも自分で採ってきて自分で始末する。当たり前のことのようだが、今となっては贅沢なことなのか。でも、それがあたり前になれば山ももっと健全な状態になるのかもしれない。

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