里山日記


2006年12月23日
【熊】

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 今年も残すところ1週間となった。夏以降はマイタケを採りに行ったりしたが、それ以外は山に入っていない。と言うのも、家の山の近くにもやはり熊が出ていたからだ。
 マイタケを採りに行ったときに林道であったバイクのおじさんも、「今、そごの柿畑のどごさいだもの。んでも、こっちで何もしねば何でもねぇぜぇ。」などと言っていた。その山よりもっと下の畑までも降りてきているのが目撃されている。まさかとは思うが、やはりなんとなく心配で一人で山に行くのは控えていた。
 熊が里に下りてくるのは、山に熊の餌となるドングリ等がないからだという。ドングリは一年おきに豊作と凶作が繰り返されると言うから、異常気象のせいだけでもないのだろうが、それにしても今年の熊情報は豊富だった。
 異常気象といえば、今年は焼畑の赤カブのほとんど収穫できなかった。10月の林業実習に参加できなかったので、その3日ほど前に赤カブを見に行ってきたが、実がぜんぜん大きくなったいなかった。もう葉にも勢いがなくて、明らかに不作という感じだった。少し大きくなっているものを見つけて、3.4個ほど採ってきて漬物にして食べた。
 そういえば10月に大工のNさんとキノコ採りに行ったとき、帰りに大鳥まで行った。その前の日に熊が捕まえられていて、それを解体して熊汁にするのだと言う。初めて熊の解体を見ることになった。
 私たちが行ったときにはすでに皮が剥がされていて、いくつかの肉の塊になっていた。骨から肉を剥がして、その骨もぶつ切りにする。肛門以外は全部食べるという。 熊にとっては災難なのだろうが、切り分けられた肉は住民に平等に配られる。これも山の生活なんだろうなぁと、改めて肉になった熊に頭を下げた。
 レバーの刺身と脂身の刺身をすすめられて、ちょっと躊躇したが一切れ食べてみた。確かに濃い味のレバ刺しと脂身だった。どうしても食べられなかったのは脳ミソの刺身、これだけは駄目だった。見た目は白子の刺身とほとんど変わりなかったが、解体まで見ているだけに何とも手が出なかった。
 骨からだしをとった熊汁は、血も入っていて汁が黒っぽくなっていた。思ったよりくせもなくて美味しかったのだが、一杯でたくさんだった。私のどんぶりには背骨といっしょに、熊の指も入っていた。うぅッ!
 
 
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