里山日記


2006年6月4日
【杉の木・タラの木・コシアブラ】

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 山に行くようになって、今年で5年になる。初めのころは、伐る木も細くて背の低いものばかりで、直径で10cm前後、高さも5〜8mぐらいだった。伐った木はその場で造材して土に返していた。
 ある程度細いものを除伐してみても、まだまだ木は混み合っている。最近伐る木は少し大きくなってきて、根元の直径で20〜30cm、高さも10〜15m以上になっている。 そうなると、伐った木がもったいなく見えてくる。 今日伐った木も造材するのがもったいなくて、一本だけ皮を剥いてとっておくことにした。
 木は伐ったままにしておくとすぐにキクイムシが入る。皮の下の柔らかい部分をキクイムシの幼虫が食べていくのだ。本当は枝をつけて葉がらしにしたいところだが、そんな余裕はない。
 今頃の木は水分をいっぱい吸い上げていて、皮の部分と去年までの幹の部分との間が簡単にはがれる。ナタで端っこのほうから剥ぎ取ると、スルスルと剥けていく。そこの部分を水が通っているのが良くわかる。皮を剥いた木は水分でツルツルしていてとてもすべる。
 元で径が7寸、長さ15尺ほどの丸太が2本とれた。この木を伐ったときの切り口からおもしろいものが見えた。むかし枝を払った名残の、中に埋もれていた枝のあとだ。年輪を数えると12年生ぐらいのときに切られた枝のあとだ。折れたものではなくて、ちゃんとノコギリで伐った跡がある。祖父かがやったのか父がやったのか、そのあたりが、この山を手入れした最後の頃なのかもしれない。なんとなく、しばらく見入っていた。
 この間山に来たときに、タラの木(タラの芽)を見つけた。まだ細くて小さくて、高さも40cmほどしかないが、山菜には全く無知の自分でも、タラの木だけは分かる。
 今までこの山では見つけていなかったので、ここにはないものだと思っていた。が、杉を除伐して藪を払って、少しは地面にも日が当たるようになって、環境が良くなってきた証拠かな、などとお得意の自己満足に浸る。
 よく見ると一種類ではない。これはトゲがあるのでタラの木だろう。こっちはトゲがなくて、葉っぱの形からするとコシアブラのようだ。気付いてみれば、そこいらじゅうにいっぱいある。来年の春はタラの芽まつりができそうだ。

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