里山日記


2006年2月26日
【林業実習:枝打】

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 2月の半ばすぎてから毎日が暖かくて、一気に雪解けが進んだ。今日は久々林業実習だ。寒くはないのだが、山に入った頃から雨が降り出してきた。
 見慣れた山の入口に来ると、伐り出したばかりの長さ10mを超える丸太が積まれていた。その脇には竹炭の炭焼き小屋があって、そこで使われる竹が積んであった
 今日は枝打の作業を見ることになっていた。枝打は木の下のほうの不要な枝や枯れている枝を払って、良質の木を育てるための大切な作業だ。直径40cmほどの杉の木に梯子をかけて講師のKさんが木に登っていく。梯子の上はチェンが付いた金具を使って高さ7・8mまで登っていく
 Kさんは手際よく枝を払って、また手際よく金具をはずしながら降りてきた。私も前に登らせてもらったことがあるが5mぐらいで精一杯、これがけっこう高く感じて怖かった。
 午後からは以前工事中に見学に行っている酒田の家を見に行った。構造材はもちろん、床や腰壁・天井の板も三瀬の杉で建てたその家に住むMさんは、120%満足の様子で私たちを迎えてくれた。壁に何気なく掛けてあるビオラが、なんともいい雰囲気だ。
 完成してから約2年、床板の隙間は大きいところで4〜5mm梁のヒビもいい具合に入っている。床はムクの厚板を捨張りした上に杉のフローリングを張っているが、それでもかなり床鳴りがしている。しかし、Mさんは隙間もヒビも床鳴りもまるっきり意に介さない様子だ。暮らしていくのに何の支障もないようだ。もちろん構造的に大きく問題があるものでもない。
 杉のムク板は柔らかいので傷がつきやすい。しかしその分暖かいので、床暖房などしなくても冷たくない。そのまま床に座っていられる。
 Mさんの満足そうな柔らかい表情が、この家のよさを物語っていた。

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