里山日記


2005年10月11日
【モダシ】

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 去年の冬・正月ごろに家の脇の柿の木の切り株にエノキダケが生えたことがあった。その時は干からびさせてしまい、食べないままに終わってしまった。せっかくのキノコ、残念だなぁと思いながら、また生えないかと注意して見ていたが、今年の冬は生えてこなかった。
 その切り株のまわりに、今度は別のキノコがどっさり生えてきた。切り株に直接ではなく、まわりの地面に、それもかなりの量だ。エノキダケよりは傘も大きいし、柄の部分も太い。
 母は“モダシ”だと言って、食べる気満々だ。こんなところに生えるのだろうかとちょっと不安なので、とりあえず取った分は漬けておいて、写真をいつものSさんに送ってみた。いつもの事ながら、すぐ返事をくれた。いい人だぁ。
 返事の内容はこうだった。

写真のキノコは『ナラタケ』と言って、とても美味しい馴染みが深いキノコですよ。
この辺では『モダシ』と言う愛称で親しまれています。
楢茸と言うだけに、楢に多発しますが、あまり樹種を選ばずに杉にも出たりします。
毎年多量に採れるので、茹でて塩漬けにして時々食べてます。
正月の雑煮の具には必需品です。
大量に食べると消化不良を起こす事になっていますが、浴びるほど食べない限りは大丈夫です。
味噌汁にして食べて下さい。

 と言うことで、さっそく味噌汁にした。美味い。家では誰もキノコ採りに行かないので、いつももらってばかりだが、確かにモダシのようだ。それでもなんとなく不思議で「具合ぇ悪りぐなてもいぃよ、一杯ぇずづしておぐがぁ。」などと言ってはみたものの、その後の体調はいたって普通だった。
 冬になったら漬けたモダシが塩出しされて、食卓へ上るだろう。楽しみだ。また来年も生えてくれないもんかなぁ、と期待しつつも、今までにない事だったので、まだなんとなく不思議な気分だ。

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