里山日記


2005年5月22日
【サワラ(椹)】

この形の文字をクリックすると写真が見れます。

 今日は今年一回目の林業実習だ。今回は里山の散策がおもな内容で、ハードな作業は無い。
 始めに鶴岡で一番大きいと言われている杉の木を見に行った。一番といってもこの鶴岡にあるもの、それほどではないだろうと思っていたが、たどり着いてみるとその杉は私の想像をはるかに超えていた。太い、目通りの径で2m以上はあるだろうか。
 山と山に囲まれて風の影響も少なく、湿度を保った適度な環境の中で育ったもので、講師のKさんによるとたぶん200年生ほどだと言う。その皮はまるで厚いうろこのように、その杉を守っているかのように見えた。
 その杉へ行く道の途中には湧き水が流れ出ていた。冷たくてとてもおいしい。あの杉もこの水であそこまで大きくなったのだろう。
 その後、竹炭の工房を見学し、竹林の散策、人工林の見学をした。竹林ではみんなで孟宗堀りをしたりミズ採りをした。
 孟宗もいいのだが私はそこいらに立っているサワラの木が気になっていた。その下にはたくさんのサワラの実生が伸びていた。講師のKさんに聞いてみると、サワラは剪定した枝を挿し木にしても根付くと言う。これはやってみるしかないと思い、サワラの枝を三本ほどいただいた
 反省会のお茶もそこそこに、サワラのことが気になってさっそく家の山に向かった。比較的平らで雪の影響が少なそうな、ある程度日もあたりそうな場所を選んでサワラを植える。わからなくならないように目印をつけて、なんとか根付いてくれることを願って山を下りる。
 サワラは桧と兄弟分の種で、ヒノキ科ヒノキ属、性質もヒノキと似ている。この辺では普通にヒノキと呼ばれてもいる。材の強度はヒノキより少し劣るが、防腐防虫性能は最高級だ。また、その香りもヒノキに似ていて、内装材として使っても高級品となる。サワラの葉っぱはうろこ状で、トゲトゲの杉の葉と比べるとその違いは一目瞭然だ。
 家の山に行く途中の沢を渡ったところに、どこの人のものか分からないが杉林がある。そこの杉が何本か倒されていて、見ると下枝も払ってあった。。私が来た1日の後に間伐と枝打ちをしたものだろう。ちゃんと手をかけている人もいるのだなぁと思うと、うれしい気持ちでいっぱいになる。
 今日はとてもいい日だった。

里山日記 ひとつ前へ
2005年5月1日
次へ
2005年6月2日