里山日記


2004年12月23日
【茅】

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 12月12日・日曜日、二度目のかまどのご飯を炊くことになっていた。ところが、一緒にカマドをつくってきた友人Sがその日の朝に亡くなった。前の日の午後に私が彼の家によって、かまどの準備をして帰ったその後に倒れたらしい。
 12月17日、小屋に葺くための茅を刈ることになっていた。その前日の16日が、友人Sの葬儀だった。あまりに突然で信じられないようなことだが、どこをどう曲げても事実だ。初めて弔辞というものを読んだ。涙が止まらなかった。
 そんなことで、茅は刈ることができずにいた。しかも雪が降ってきて、今年の茅刈りは無理かなと思っていた。そのことを聞いた近くの人が、家にある茅を譲ってくれるといってくれた。小屋を造っているときに、時々寄ってくれていた人だ。
 さっそく見にいく事にした。その茅は、家の脇にある車庫の中にあるということだった。茅は小屋の軒裏に上げてあった。かなりの量がある。ご好意に甘えてその茅をもらうことにした。この雪ではとても茅を刈ることはできそうにない。助かった、という感じだ。
 しかし、小屋の屋根全体を葺くには少し足りないようだ。良く分からないことなので不安ばかりなのだが、なんとかなるだろうと思いきかせながら、とりあえずそのままとっておいてもらうことにした。
 友人Sはいなくなってしまったが、茅葺だけはなんとか完成させたい。

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