里山日記


2004年11月3日
【竈・茅葺・土壁】

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 5年前、ある建築関係の雑誌に東京・赤坂のレストランが載っているのをみた。建築関係の雑誌だから、当然ながら料理のことは何も書いていない。
 赤坂のビルの中にあるその店は、なんと店の真ん中の厨房に竈があった。その竈でご飯を炊き、調理して出すのだという。ちょうど12月に東京にいく用があったので、その店に行ってみた。
 店はすぐに探すことができた。中にに入るとほんのりと煙の香りがする。案内されて奥の窓際の席についた。昼、まだ早い時間なのに満席状態。メニューを見て注文したのが“焼き魚定食・2500円”。それが一番安かった。
 そしてその時思った。「んッ、竈を作ってご飯を炊こう」その時は、いつかできるだろうという漠然とした希望だった。
 家の山のことが気になりだしたのも、そのころだった。自分で山に行って木にさわってみたい、それは林業実習のお陰で、何とか実現できている。
 そしてこの竈、なぜか作る場所は友達の家ということになった。よく遊びにいって酒を飲んでくるその友達の家のの一角を借りて、いま一坪の小屋を建てている。希望としては、茅葺で土壁、それに自分の家の山の木を伐ってつくることだった。
 土は、去年全面改装した別の友達の家を解体するとき、そこの土壁をはがしてもらってきた。しかし、山の木は伐り出してくるのがちょっと無理なので、それはあきらめてとりあえず着工した。そして、10月17日上棟式を迎えた
 次は土壁だ。土はビニルシートにあけて、わらを加えて水を含ませておいた。バックホウで練ったり耕運機で練ったり、最後は人力で一生懸命練った。もともと土壁だったので粘りもかなりある。
 木舞の代わりにヨシズをはりつけた。これが土を塗ってみると意外にいける感じだった。土壁塗りは予想以上に重労働だ。内側を一通り塗り終えたところで今日の作業を終えた。


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