里山日記


2003年2月16日
【林業実習“伐採”】その2

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 この日に運んだ木は前に伐って置いたものとあわせて2本、伐った木はワイヤーで林道の近くまで引かれてくる。途中にあるほかの木の幹を傷つけないように落とした枝で根元を養生するという気配り、山の仕事も思ったより繊細だ。横たわった木を見ると改めて思う、“でかい”。玉切りされた木は根と元をそれぞれに揃えてユニックに積み込む。仕事はとても手際が良くてスムーズだ。場合によっては玉切りした後に下までおろすこともある。その時は“トビ口”という先の曲がった道具を使って斜面を一気にすべるように降りていく。いかにも山の仕事という感じがして豪快だ
 講師の先生の話によると実習の対象になって伐採された木は、まわりの木などの影響で成長が止まった木なのだそうだ。切り株を見てみると確かに樹皮に近い部分の年輪は巾が狭くあまり成長していない。それを伐採(間伐)するとまわりの条件が良くなり、ほかの木がまた生長していくのだそうだ。集積所に積まれたこの木がやがて柱になったり内法材や板材になって、これから第二の人生を歩むのはどこの家なのだろう。
 この山には杉に混じってサワラがあちこちに見える。そのサワラを内装に使った家があるというので見せていただいた。サワラは桧の仲間で湿気にも強いので、土台や水まわりに使っても大丈夫。この家でも台所の床やトイレの内装にも使っていた。節は多いが艶があって濃い色で全部生きているので、抜けたりする心配は無い。木のいい香りが心も和ませてくれるようだ。

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