命の勉強・ハムスターの死
        
校長 海藤 三重子
                            
 
本校では、各学年でいろんな生き物(金魚・カタツムリ・カブトムシ・ハムスター・亀・
ホタル・メダカ・イモリ)を飼っています。先日、3年生が大事に育てていたハムスターが
死んでしまいました。2階から悲しみの泣き声が職員室まで聞こえてきた程です。

ハムスターの墓を作るというので、私も外に出てみました。子供たちは、桜の木の下で、
籠を包んだ風呂敷をほどき、ハムスターを見せてくれました。籠の中で動かずにいる
ハムスターに子供たちと手を合わせました。泣きじゃくっていた生き物係の子が、
「ぼくが、一生懸命に世話をしたのに死んでしまった。」と、ハムスターを籠から取りだし、
背中をなでていました。籠のそばには、ひまわりの種がおいてありました。そばにいた
子供たちが、次々と話しかけてきました。

「ぼくたちが、スポーツテストをしていて、誰も居ないところで死んでしまった。」
「ぼくは、あまり世話ができなかった。今度飼ったら、ちゃんと世話をする。」  
「きっと買った時から年をとっていたのかもしれない。」    
子供たち一人一人の胸にハムスターの死が大きく広がっていました。その後、
ハムスターに手紙を書いたそうです。ハムスターの墓の隣には、4年生が育てていた
亀のお墓もあります。亀は、昨年の秋に死に、今でも、毎週火曜日を墓参りの日と決めて、
お参りをしています。

3年生の子供たちは、土・日曜日には、友達を誘い合って墓参りをしたり、遊びの帰りに
寄ったりしていたそうです。墓には、サクランボと花束が供えられていました。また、
お母さん方数人が同伴してお参りをしてくれたそうです。子供たちをもっと愛おしくなり、
お母さん方に頭が下がる思いでした。

また、あるお母さんが、「うちの子供は、今まで、ゲームをしていて死ね、死んだと言って
遊んでいた。その言葉を何度も注意してきたが心が伝わらなかった。それが、ハムスターを
飼うようになってから、野菜のみじん切りを持って行き世話をするようになった。そのうち、
死ね、死んだという言葉が減ってきた。ハムスターの死は、子供にとっていい勉強になった。」と
話をしていたそうです。その子は、毎日、墓にお参りをしています。
3.4年生は、生き物の死を直視し、死んだ「命」は二度と生き返れないこと、死は周りの人を
悲痛な思いにさせること、生き物を大事に飼育しなければならないこと等を実感したと思います。

最近、佐世保の事件、自殺、突き落とし等が相次いで起きています。学校では、大きなショックを
受けました。全校生・各クラスで命の指導をしたり、校内にある工具等の保管場所を厳重にしたり、
インターネットの使用上の決まりを確認し合ったりしました。山形県第5次教育振興計画にも
「いのち」が大きく取り上げられています。自他の命の大切さ・善悪の判断・友達関係等を
継続して指導していきます。ご家庭でも、命や人の心、パソコンのある家庭では、インターネットの
使い方等を是非子供と話し合ってほしいと思います。