その278 薪 9月10日 家には、薪がストックしてあります。薪ストーブがあるわけではないので、コンテナに3つか4つ分です。何に使うかというと、耐火煉瓦で窯を作ってピザを焼いたりパンを焼いたりします。それも年に3.4回程度、今年はまだ2回です。 火を着ける時は、杉の葉なんかがあるととても着火しやすいです。初めは割り箸や杉の板を細く割ったものなどで、徐々に大きな木に火をつけていきます。木は重いよりも軽ければ着火しやすい、太いよりも細いもの、そしてツルツルに削ったものより割ったり裂いたりして表面が荒れているものが、着火しやすいです。それぞれに空気を含む量や表面積の大きさ等の差で、着火のしやすさが違ってくるようです。 家にあった薪は、大工さんの作業場からもらってきた杉と桧の端材、それに妻の家の生垣を伐った時の枝の太いもの、あとは、家のいらなくなった木を伐った時に出た梨の木です。この中では梨の木が一番重くて、硬くて火が着きにくいものです。でも、窯が温まってくると、その梨の木も簡単に燃えるようになってきて、逆に火持ちがよいので重宝します。 と、窯の話をしようとしたのではなくて、お盆に窯に火を入れようとした時の事です。その梨の木だけがカビていました。今まではそんなことはなかったのに、今年はなぜかびたのでしょうか。考えられる理由は2つあるだろうと思います。 ひとつは梨の木は硬くて重くて、今年のように蒸し暑かった梅雨には結露して、湿気を帯びていたのだろうと思います。杉などは湿気もよびにくく吸湿性もあるので、結露はしにくいといえるでしょう。 もうひとつは、杉自体の殺菌性も関係あるように思います。同じ杉でもどの部分からとった材料かによって違いますが、特に芯材(赤い部分)は殺菌性があるといいます。 築40年以上になる私の家の座敷の敷居には、梨の木が使われています。敷居の溝は掘っただけで補強のスベリなどはもちろんありませんが、ほとんど減ったところはわかりません。それだけ梨の木は硬いのでしょう。 |