ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
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2009年7月


その276  セルローズファイバーU          7月16日

瑕疵担保履行法の対象となる住宅が、本格的に建ち始めています。その中で木材の乾燥についての取扱いは、私もまだはっきり理解していません。これが厳しくなると、いわゆる自然乾燥材の利用はかなり厳しくなります。
この前お話した断熱材「セルローズファイバー」を使う家でも、自然乾燥材を使うことを前提としています。施工者からは、人口乾燥材・集成材を使用する提案がありました。真壁が多く柱が造作として見えるため、やはり変形やヒビ割れに対しての配慮からの事です。
建て主にはそれぞれの特徴を話し、セルローズファイバーの調湿性が木材の調湿の手助けをすることなども話しました。その上で人乾材や集成材ではなく、自然乾燥材を使用するという事にしました。
私は家を建てる計画の初めの段階で、木の事を出きるだけ詳しく説明するようにしています。この木の話でしてきた木材・集成材・合板・その他の木質系材料の事などです。この建て主は出きるだけ自然のままの木を使用したいとの考えで、それに沿って計画を進めてきました。施工者からの提案で改めてそのことを確認できて、結果的には良かったと思っています。
順調に進めば、間もなく着工です。どんな家づくりになるか、楽しみでもあり気が抜けない思いでもあり、いずれにしても建て主が納得できる家づくりになればと願うばかりです。



その275  梅雨          7月9日

今日は朝から雨が降り続いて、雨が少なかった今年の梅雨にしては、いかにも「梅雨」といった天気でした。今年は梅雨入り前に、山に挿し木して育ててあったサワラの木を植え替えるつもりでした。挿し木した時は根付くかどうかも分からず、それぞれの間隔をあまり取らずにいたので、いざ根付いてみるとやはり狭いわけで、このままではどうもいけないようです。
 梅雨の前であればその後に雨が降って、移植してからの管理も楽だろうと思っていたのですが、わずかの時間をとれずに今年は見送りになりそうです。来年こそは、と思っているのは今年だけで来年もまた同じ、なんて事にならないようにしないといけないですね。今ごろの雨の次期を「梅雨」といいますが、なぜ梅と雨という字がくっついて「つゆ」なのか、なんとなく想像しながらも調べたことがなかったので、とりあえず調べてみました。ひとつはその字の通り「梅の実が熟す次期だから」という説があるようです。それとカビが生えやすい次期という事から、黴(カビ)に雨で「黴雨=バイウ」とも言うそうです。それが「バイウ」から「ツユ」と呼ばれるようになったのは、露という漢字からきたものだとか。普通に考えたら、梅と雨ではツとユにならないですよね。蒸し暑い日が続いていましたが、今日は雨が降って涼しくなりました。わたしはエアコンが苦手なので、まだ今年はエアコンを稼働していません。でも、梅雨も明けると暑さも本番、そろそろエアコンの力も借りないといけなくなりそうです。



その274  セルローズファイバー          7月2日

現在建てる住宅には、あたり前のように断熱材が使われています。使う場所は主に、外気に接する天井面、外壁面、床面です。断熱材にも、色々な種類があります。繊維系のグラスウールやロックウール、発泡系のポリスチレンフォームやウレタンフォームなどが一般的です。
私もこの仕事に就いて早30年、当時は金融公庫の仕様でも壁・天井には断熱材を入れて、床に入れなくても良いというような内容だったと記憶しています。それに比べると、断熱材の入れ方や厚さも大分変わってきたと思います。
断熱と一緒に、気密も取り上げられるようになって、私も高気密高断熱に類するの住宅を何件か手がけています。基本的に冬は全室暖房の形をとって、換気を計画的にとる事になります。高気密高断熱で言われるのが、冬場の暖房時の湿度の低さでした。低すぎる湿度は人間にとって良いことではないようで、喉が痛いとか肌も乾燥するとかの話を耳にすることがあります。
何かいい方法はないものかと以前から思っていたのですが、たまたま「セルローズファイバー」の断熱の事を聞きました。材料自体は聞いたことがあっても、今まで詳しく調べたり採用を検討したりしたことはありませんでした。これは断熱は強化しても気密は通常のつくりで、冬場の湿度の調整も自然にしてくれるものという事で、この辺でも施工実績があるという事でした。
今回手がけている一軒の家に、このセルローズファイバーの断熱を取り入れることにしました。施工途中の現場を見に行ったり、施主にも説明して理解をいただいたりして、これから着工予定です。施工の途中も含めて、家ができてからの状況なども、記録をとるつもりで経過を見ていきたいと思っています。