ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
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2008年9月


その248  クルミV          9月25日

クルミの話のつづきです。軒下のクルミを覘いてみました。そこに置いてから一週間、まだ緑色の物がほとんどでしたが、中には廻りの実が腐って真っ黒になっているものもありました。その黒くなったものだけを取り分けてバケツに入れ、廻りの腐った部分をとって、ゴリゴリと洗って黒くなった水を取り替えること4.5回、見事なクルミが出てきました。
本当は日に当てて干すといいらしいのですが、そんな余裕はありません。さっそく鉄鍋で煎ってみました。少し口が開いて来るものもありました。平べったい栓抜きを差し込んでひねると、クルミは二つにに割れます。まったく開かないものもあります。クルミ割りはないので、大き目のペンチでガリッと割りました。
その実を竹串でほじくりながら食べてみると、んぅー、クルミの味、あたり前ですね。かなり油分があるものです。でも、自分でとってきたクルミは格別です。たいした量ではないと思ったのですが、取り出した実は皿に山盛りになりました。その日はお彼岸で、家ではぼた餅をつくっていました。クルミを味付けしてそのぼた餅につけて食べると、「やっぱり胡麻より美味い」とは、父の言葉。私はぼた餅を食べないので胡桃だけを食べました。
父に聞いてみると、クルミを洗った水を川に流すと魚が弱って(死んで?)、魚を捕ることができたそうです。と言うことは、何かしら毒があるという事ですね。また、川で遊んでいるときに流れてきたクルミを石で割って、生のままでも食べたそうです。今のようにお菓子が豊富にあるわけではない頃の、遠い昔の話ですね。


その247  クルミU          9月18日

前に書いた土手のクルミ、そろそろ採ってもいいかなぁと思って、日曜日の朝に見に行きました。そしたらなんと、ほとんど採られていてなくなっていました。よく見ると、わずかに3・4個ぶら下がっているところがが見える程度でした。半端な量ではありませんから、きっと、ちゃんときれいに処理して、販売までしているのでしょう。
私はそんな気はないので、少なくてもいいから採ってみようと思っていざ向かってみると、これがけっこう採れました。朝飯前の30分足らずで、大きな買い物袋にいっぱいです。思った以上の収穫に、何とも幸せな気分でした。
クルミは種の中身を食べるわけですが、廻りには硬い実がついています。父に聞いてみると、湿り気のある場所に放っておくと、実の部分が腐って自然にクルミが取れてくるとの事。さっそく家の北側の軒下にクルミを開けて、麻袋で覆って、その上から水をかけておきました。
ちゃんとクルミになったら、炭火を熾したときにでも煎って食べてみようと思います。昔、囲炉裏の火で煎って食べたのを覚えています。考えてみると、最後にそうやってクルミを食べたのはいつだったか、思い出せないくらい前です。
まだ採ってから4日目、どのくらいするとクルミが出てくるのか、今から楽しみです。



その246  サワラ          9月11日

3年前の春に、家の山にサワラの木を3本挿し木しました。林業実習をしていた三瀬の山から、枝をもらってきたものです。そのうち一本は枯れてしまいましたが、2本は何とか根付いてくれました。でも、いつも地面に這いつくばった状態で、夏になると草に隠れてしまいます。冬になると雪融けに負けて枝をちぎられて、ただでさえ小さい苗木がますます小さくなっていました。
一昨年−去年と、いつも気にかけてみていました。葉っぱは緑色なので枯れてはいないはずなのですが、一向に成長の気配が感じられません。今年の春に見た時も、やっぱり同じ状態でした。
サワラはヒノキの仲間で、ヒノキにとても近い木です。この辺ではそのままヒノキと呼ぶこともあるようです。ヒノキはスギに比べて成長が遅いとは聞いていましたが、3年たっても成長が見えないどころか、かえって小さくなっているようで、見るたびに何となく首をかしげて笑ってしまうと言った感じでした。
その前の年(4年前)に丈が10cmほどの杉の実生を拾ってきたものがあって、去年の春に山に植え替えています。その成長はサワラに比べると早くて、毎年大きくなるのが分かる感じです。もともと根がある実生と挿し木では比較にならないかもしれませんが、スギとサワラの成長は随分違うのだなぁ、と思っていました。
8月末の日曜日の午前中に、山に行ってきました。長柄の鎌で藪を払っていたのですが、そのサワラの木は草に覆われていて、植えている場所が分かっていてもやはり探すのが大変でした。が、なんと、サワラの木に大きな変化がありました。今まで寝そべったままで何とも頼りなかったのが、ちゃんと立っていました。背丈はまだまだ小さくて植えたときよりも却って小さいのですが、2本しかなかったサワラがちぎられて5本に分身して、それぞれにちゃんと根付いています。ちぎられたものもそのまま根付くと言うことは、成長は遅くても挿し木には向いているのかも知れませんね。
とりあえずまわりの草を刈って、サワラが見えるようにしておきました。まわりの草を刈っても、それでもようやく頭を出す程度のサワラが見上げるようになるのはいつの事か、私が元気で山に行けるうちには、そうなって欲しいものです。