ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
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2007年12月

その216  火鉢U          12月27日
 
木炭には脱臭効果があるといわれています。下駄箱に入れる、物置に入れる、冷蔵庫に入れる、トイレに置くなど、いろいろ使っている人もいると思います。
その効果のほどはというと、・・・事務所の小さな冷蔵庫に貰ったキムチを入れたことがありました。家に持っていくまでの半日ほどでしたがやはり匂いが移ったのでしょう。冷蔵庫を開けるとかなりの匂い、キムチは美味しいのにこれはたまりません。
小さめの炭を4.5本皿にのせて冷蔵庫に入れておくと、しばらくすると匂いはほとんどしなくなります。これはいいぞと思って炭を出してしまうと、しばらくするとまた匂いがしてきます。冷蔵庫自体についた匂いがまたしてくるのでしょう。でも、数日間炭を入れておくとその匂いもしなくなります。やっぱり効果はあるんですね。でも、吸着した匂いはどうなるんでしょうか。
事務所に7.8年前の炭があります。旧温海町の人が焼いた白炭で、火持ちがいいのに火付きもいい、とてもいい炭でした。残念ながらその人は炭を焼くのをやめてしまって、もう手に入りません。なので、残っていたものを紙箱に入れて少しとっておいたのです。
この間その炭を火鉢に入れてみると、普通に新しい炭を熾したのとはちょっと違うにおいがしました。どちらかと言うと、あまりいい匂いではありません。これは吸着した匂いが出てきているのかもしれませんね。特に下駄箱や冷蔵庫に入れたわけではないのですが、何年かの間にまわりの匂いを吸着していたのでしょう。
木炭は「多孔質材料」と言って、肉眼では見えない細かぁーい穴がたくさんあいています。その表面積は、木炭1グラムあたり250〜300uもあるそうです。その細かい穴の中に広がったとてつもないほど広い表面に、匂いの粒が吸着されているのでしょうか。それが炭と一緒に燃えて匂いがでる、・・・目に見えないので何だかとっても不思議ですね。



その215  火鉢          12月20日
 
一昨日降った雪もさほど積もりもせずに、ほとんど消えてしまいました。昨日の夜は月が出ていて、星もアチコチに光っているいい天気でした。その分冷え込んだわけで、帰る時には路面の濡れている部分がつるつるでした。ちょうど羽田からのからの最終便が、庄内空港の上空の方にいるのが見えました。
この調子だと、お正月にも雪がないのかもしれません。去年の1.2月はまったく雪が無くて気温もとても高かったのですが、今年の冬ははたしてどうなのか、今のところ大雪の気配はなさそうです。
事務所にも冬が近づくと蜘蛛やだんご虫が入ってきて、玄関に敷いているマットの下などに隠れたりしています。でも、今年はどうも少ないようです。これは暖冬のせい?、それとも地球温暖化?。そう言えば、最近新聞やTVなどで地球温暖化の事がよく流れていますね。
暖房には灯油・電気・ガスなどの器具が使われています。最近の傾向としては、CMの影響でしょうか、オール電化への関心が高いようです。
どんな暖房を使うか、それを選ぶ基準は色々あります。イニシャルコスト、ランニングコスト、便利さ、安全など・・・。そして、今盛んと言われているエコ:暖房の効率とか環境負荷という面ではどうなのかという事があります。
今年灯油がまた値上がりしています。供給の問題ではなくマネーゲームのせいだとの事ですが、それでも石油の枯渇は時間の問題です。それではガスはどうなのか、一般家庭でガスの暖房はあまり見られません。電気はどうなのか、クリーンエネルギーとは言っても使っている家では排気が出ないだけで、これも色々問題があります。原子力は本当に安全に使いこなせるのか、火力発電に多く使われている石炭は、二酸化炭素の排出量が石油などに比べて多いという問題。
それでも、庄内の冬には暖房は不可欠ですので、事務所でも石油で暖房しています。それと一緒に効率は悪いのですがいつも火鉢には炭火が熾きています。小さい火鉢ですが、6帖程度なら充分暖かくなります。再生可能な資源:木炭、扱うのは確かに面倒で灰も飛びます。でも、なんともいえない温もりがいいですよねぇ、やめられません。
そう言いながらも炭火で一酸化炭素中毒になっては困るので、電気を使って換気扇をまわしているというチョッと皮肉な成り立ちがあるわけで、んぅー・・・、考えてしまいます。



その214  軽微な変更          12月13日
 
今年の6月20日から施行された改正建築基準法については、前にもお話しました。特に確認申請では、小さな間違いや変更でも訂正できずに再申請になるという事で、かなり厳しいなぁと言う印象でした。たとえば、申請地の地番が間違っていると再申請になる、提出した設計図は一切訂正できなくて間違いがあると再申請になる、といった状況です。
その場合の申請手数料はどうなるんだ?、もう一回払うのか?、それは誰の負担?といった疑問が残るまま、それから半年が経ちました。さすがにそれは厳しすぎるとの判断か、ある程度のことは訂正で対応するようになっています。また、一時は認められなかった着工後の開口部や間仕切りの変更なども、計画変更確認で対応できることになったようです。
たとえば、台所の壁天井を石こうボード+ビニルクロスの仕上げにするとします。石こうボードには不燃や準不燃の認定番号があり、ビニルクロスにも防火の認定番号があります。外壁にも防火や耐火の認定番号があります。確認申請の段階で外壁やクロスの柄がはっきり決まっていることは稀です。その場合、たとえ同じ性能であったとしても認定番号が違う外壁やクロスを使うと計画変更確認が必要になる、といった問題もありましたが、これも軽微な変更という事で申請は必要なくなったようです。
結果的には、申請の場合の申請図書の訂正や計画変更も以前とほぼ同じようにできるようになったといえます。とは言っても審査が厳格になったこと、提出図面や書類の量が増えたことに変わりはありません。できるだけスムーズに確認申請が通るように、今まで以上に気をつけて書類を作っていかなければなりません。



その213  地域産木材          12月6日
 
近年、家をつくるときは地元の木を使って建てようという動きが、少なからずあります。山形県でも、利子補給という形で、県産材を使用して建てた住宅に対しての支援があります。他県でも、色々な形での支援策があるようです。そのお陰か輸入材の値上がりもあってか、県産材の価格も少し持ち直してきたと聞いていました。
さて今年はと言うと、住宅着工件数の落ち込みは全国的な傾向のようです。私自身も事務所開設以来16年で、新築住宅に関わるものがこれほど少ないのは初めてといった状況です。そうすると需要と供給のバランスか、やはり木材は値下がりしているとのことでした。
今日付けのS日報に、市の公共事業での木材の分離発注の記事が載っていました。通常の工事発注の際には、木材や他の材料・工賃などを含めて工事一式を一括での発注になります。
元請業者がその工事に使う木材を決める際の基準は、価格・品質・納期・品揃・・・などがあるわけです。それを満たそうとすると、地元産の木材を使用するという条件は優先順位が下のほうに来てしまって、使うのは他県産材だったり外国産材だったりするわけです。
木材を分離発注すると、どうなるのでしょうか。1.あらかじめその工事に使う分の木材を確保しておく事ができる。2.乾燥や製材などの期間を充分にとることができる。3.流通に関わる余分な経費を節約できる。よい面をあげると、こんなことがあります。
住宅でも利子補給制度の活用もあって、県産材を使って建てるというのが最近の傾向になっていました。ただ、県産材を使うのは利子補給の制度を使うためであって、それ以上の意味を考えたり理解したりというところにはいたっていないのかもしれません。
今年から山形県で導入されているみどり環境税、これもどこにどうやって使われたのかも知らないままに、単に徴収されるばかりでは意味がないですよね。県産材の利用にしてもみどり環境税の使い道やその効果にしても、もっと個人の意識が大切なような気がします。