ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
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2007年11月

その212  ナラ枯れのこと          11月29日
 
最近ニュースや新聞で、ナラ枯れの防除の事が何度か流れています。ナラ枯れは、カシノナガキクイムシという虫がミズナラやコナラに入って、その虫についているナラ菌(通称)が木に悪さをして、1年で木を枯らしてしまうというものです。その虫は次の年の春に飛び立って、また別の木・別の山に移っていくので、被害がどんどん広がっていくわけです。
私の家の山にも5年ほど前にナラ枯れが入って、その次の年に自費で防除しています。それでも、一度菌が入った木は枯れてしまうので、他に移るのを防げればいいという形になります。
家の山のミズナラもほとんどが枯れてしまいました。でも、その防除が効いたのか、その時に残っていた木の一部は今も元気です。若くて樹精の強い木は菌にやられにくいという話もあります。そう言えば残っているミズナラは、まだ細めで若そうな木です。
それまでに落ちていたドングリから芽が出てきた実生も結構たくさんあって、今では50cmほどまで伸びてきたものもあります。
それと、枯れてしまった木の根元からも、新しい芽が出てきているものもあります。萌芽といいますが、木も菌にやられてばかりではなく、自ら子孫を残すために頑張っているんだなぁと思うと、なんだかうれしくなります。
そうやって見ると、下手に防除なんかしなくても、ミズナラは自分の身を守っていく術を心得ているのかな、とも思います。
そう言えば、バイクのおじさんの山のクリのナラ枯れはその後どうなったのか見ていません。少しでもクリの木が残ってくれることを願いたいです。



その211  今年のキノコ          11月15日
 
前にもお話しましたが、今年家の山にはスギヒラタケがたくさん出ました。同じく菌を植えたマイタケも豊作でした。という事で、今年はキノコが豊作なのかと思って、大工のNさんと行くキノコ採りを楽しみにしていました。が、残念ながら行っていません。
Nさんは何度か見に行っているようでしたが、今年はまったくといっていいほどキノコがないそうです。先日行ったときも、ブナハリタケが一握りほど採れただけだったそうです。去年もNさんにしてみると不作だったという事でしたが、今年はそれ以上に不作という事です。キノコ以外にも、アケビやヤマブドウなども同じくないそうです。
Nさんは若い頃から何十年も山に入ってきています。その人から見ても今までにないほどの不作と言うのは、やはり地球温暖化とか何かあるのでしょうか。
これが、たまたまの巡り会わせなのか、それとも異常気象のせいなのか、簡単には判断ができないと思いますが、人々の生活がどこかに影響しているのかもしれないと思うと、チョッと悲しくなりますね。
米作にも異常が起きているといいます。暖かい地方に向いている稲は、改良を重ねて寒い地方でも栽培できるようになっています。それでも食味のいい米は、比較的暖かい地方で採れていました。それが段々北上してきて、今まで作れなかった食味のいい米が、寒い地方でも採れるようになってきていると言います。
Nさんは山で原木のナメコも作っていて、先日いただきました。寒い時期のナメコの味噌汁、最高ですねぇ。日本人でよかったと思います。来年は山で天然のナメコが採れるといいなぁ、と思っています。



その210  改正建築基準法          11月8日
 
先月の末に、建築基準法・建築士法の改正についての講習会がありました。6月20日の施行前に一度行なっていますが、詳細について未定だったり、法解釈の違いについての対応が整理されていなかった分の、追加説明と言った感じです。
その内容の多くは、確認申請にかかわることです。添付する図面や書類が増えたこと、それに伴なって審査する内容が増えたこと、監理についても写真の添付が義務付けられたことなどがあげられます。
それと、書類の訂正や変更についても厳しく対応する方針で、一時は単純な記入ミス程度の食い違いでも再申請になるのかと心配していました。しかし、さすがにそれは訂正で対応できるようです。また、現場が始まってからの計画変更も再申請になるとの話もありましたが、こちらもある程度の範囲までは許容されるようです。もちろん、計画変更確認申請は必要になります。
また、法的な制限がある仕上げ材(不燃材など)の変更の場合も、同等の認定のものへの変更はそのまま可能なようです。でも、基準を満たしていても石こうボードの12.5mmが9.5mmになると言ったような場合は、変更の申請が必要になってきます。
現在は4号確認(木造2階建500u以下の住宅程度)の場合、特例で添付図面や審査項目が免除されている部分があります。それも来年の12月までで、それ以降は基準どおりの手続となります。店舗などでは、木造の平家の場合でも特例がないため、今まで5枚程度で済んでいた図面が倍の10枚以上添付することになります。
まだまだ個別のケースでは解釈が曖昧なところもあるようで、これから一年間はその都度動向を確認しながら仕事を進める必要がありそうです。



その209  自然薯:ジネンジョ          11月1日
 
家の山には、以前には生えていなかった草や小さい木が色々生えてきています。前は手入れされていない杉の木が密集していて下まで日の光が届かなかったのが、ようやく環境が整ってきて芽吹いてきたのでしょうか。
今年の秋になってから山に行ってキノコを採ったりしている時に、あるツルにムカゴのようなものがついているのを見つけました。本当にそうであれば、それはジネンジョです。でも、畑のナガイモは見たことがありますが、ジネンジョは見たことも食べたこともありません。
ジネンジョとは別に、葉っぱの形がよく似たオニドコロという有毒の植物があります。間違っては、大変なことになります。色々調べてみると、ジネンジョの葉は同じところから2枚出る対生でツルは右巻き、オニドコロの葉は交互に出る互生でツルは左巻きという事が分かりました。
2度・3度と山に行くたびに確かめましたが、どう見てもジネンジョのようです。しかも、あちらこちらに沢山あります。という事で、大工のNさんに相談しました。
ジネンジョは、1年では芋が大きくならないという事でした。確かに畑のナガイモも、ある程度大きくなった種芋を植えてそだてます。目安は茎の太さで、太いものは割り箸ぐらいになるという事でした。家の山にあるのは、まだまだ細かったので、芋はそれほど大きくなっていないかもしれません。でも、3年も待つのは面倒なので、とりあえず掘ってみることにしました。
Nさんに自然薯堀の道具を借りて、この間の日曜日にいざ出陣。掘ってみると、地面から30cmぐらいのところから芋が顔を出しました。もう少し掘り進めて見ると、長さ20cmほどのジネンジョが採れました。やはり小さかったわけです。結局2本だけ掘って、あとはそのままにしてきました。
さっそく摩り下ろして食べてみました。普通のナガイモとは、粘りが全然違います。餅の塊のように箸で持ち上がります。味も濃いと言うか野性味があると言うか、元気が出そうな味でした。来年以降の楽しみが、また一つ増えました。