ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
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2007年10月

その208  きのこ          10月25日
 
家の山にはいろんな種類のキノコが出ます。でも、それを見ただけでは何のキノコかさっぱり分かりません。本などで調べてみても、写真と実物が同じものなのか違うのもなのか分かりにくいものです。なので、自分で植えたマイタケの他は、一度白キクラゲをチョット採って食べたことがあるだけで、それ以外はありませんでした。
今年はその山に、スギヒラタケ(スギワケ)がいっぱい出てきています。スギヒラタケは数年前に腎臓病の人の事故がきっかけで評判を落して、それ以降はあまり出回らなくなってしまいました。家でも貰うこともなくなったので、最近は全然食べていません。でも、山に行く人は採って食べていると聞いていました。
今までもほんの少しだけはスギヒラタケが出ていたのですが、採って食べるほどでもありませんでした。でも今年はかなりたくさん出てきて、今まで5.6回ほど採っています。と言っても、1回に両手ですくえるほどですが・・。それでも、久しぶりのスギヒラタケの味・香り・食感は、なかなかのものです。
このスギヒラタケは、名前のとおり杉の木に出ます。それも枯れた木で、倒れているものにはあまり出なくて、高めに残っている伐り株や立ち枯れしている杉の根元に多く出ます。それも、杉皮が残っているものでびっしりとコケが生えている物にしか出ていません。中には木が腐れて皮がはがれて浮いている、その内側に生えてきているものもありました。
見た目では同じようにコケ生している伐り株でも、何が気に入らないのかまったくその気配がないものもあります。同じ杉とは言え、その腐れ具合やコケの生し方、皮と材の違い、その他にもあるのでしょうが、キノコの生える条件はかなり微妙なようです。
今年は植えたマイタケも2週間以上遅れて出てきました。そのかわりなのか、大豊作でした。また今年も大工のNさんに、きのこ採りに連れて行ってもらうことになっています。去年はかなりの不作だったのですが、はたして今年はどうでしょうか。



その207  工事計画の進め方          10月18日
 
住宅等を建てる場合の進め方を見ると、どうしても予算優先・資金計画優先になりがちです。金融機関では融資の審査をするために、工事見積書と確認済証を(もっと他にもありますが)提出してくださいと言う話になります。
でも、正確な見積書と確認済証は、ある程度設計が進まないと出てきません。建てる側としては、予算が計画通り進むかどうかを確認した上で設計を進めたいわけです。そうでないと、設計したものがそのまま進められなくて、大幅に設計変更しないといけなくなる事もあるわけです。工期にも大きく影響してきます。
そのために、資金計画と工事全体の計画は、同時進行でないといけません。まず、工事の計画(設計)を進めながら、工事にかかる全体の予算をはじいてみます。土地購入費・建物の工事費・設計監理料・冷暖房・外構工事(舗装やフェンス・植栽)などで、見落としがちなのが、資金借り入れにかかる保証料や火災保険、登記費用や引越し費用などです。どれも小さい金額ではないので、その時点で把握できる正確な数字を見ておきたいものです。
その全体予算に照らし合わせて、自己資金はどれくらい準備できるか、いくら借入金が必要か、その金額の融資が可能か、などを確認していきます。
融資が確定しないと落ち着かないせいか、工事見積内容の確認が不十分だったり、家族内での意見の調整が不十分だったりする場合もあります。ようやく確認申請・着工と言う段階に来て、「やっぱりここはこうしたい・・・。」と言うようなことも少なくありません。内容によっては、やはり変更に時間がかかります。
また、打合せの途中で話が出ていた希望が、最終の見積では予算等の関係で外れているという場合もあります。工事完了間際になって「○○が希望したようになっていない。」と言う話が出てきたりすることもよくあります。
限られた予算を有効に使うためにも、何度も言うようですが事前の計画を充分練ることが大切です。



その206  計画変更U          10月11日
 
着工してから途中で変更したくなったり疑問な点が出てきた場合はどうしたらいいかというと、できるだけ早く施工者・設計者に相談することです。遅くなればなるほど工事が進んで、変更しにくくなるわけですから、早いに越したことはありません。
施工者から見ると、手戻り工事になったり途中で工事がストップしたりして、たとえ変更の工事費を清算したとしても出来れば避けたいものです。でも、できた建物を使うのは建て主さんです。それも、毎日一生使い続けるわけですから、良く考えて変更したほうがいいのであれば、私は変更することを勧めます。
先週お話した計画変更では、耐力壁の位置には変更があったものの、面積や建物全体の形状には変更がありませんでした。結果的には計画変更確認申請ではなく、耐力壁の計算を含めた変更図面の提出で対応することになりました。
確認審査の現状では、来年の12月までの経過措置というか特例措置というか、審査する書類や内容の一部を省略しています。今回の場合は、その範囲だと解釈すると言えます。
審査書類や内容が一部省略されているとは言っても、監理の報告は出さないといけないので、その分の設計や監理が必要ないわけではありません。変更となればその分の図面の訂正も必要になってきます。



その205  計画変更          10月4日
 
この間、ある大工さんからの仕事で確認申請を提出しました。無事に確認済証がおりて木材の加工にかかっている途中で、建て主さんが私のところにやってきました。その話は「□□(耐力壁に関わる部分)を変更したい。」とのことでした。
私が直接設計を受ける場合は問題ないのですが、大工さんからの仕事の場合の多くは、工事の内容については建て主さんと大工さんが打合せをして決めています。その内容を踏まえて、確認申請の図面や書類を私が作成します。
その書類を整える前に、ある程度の図面で建て主さんに工事の内容を確認します。これも、大工さんがきちんと打合せをしていればいいのですが、そうでない場合が結構あるので、大工さんからきた資料をそのままに図面をを作ると、建て主が内容を理解していない場合があるからです。
今回も、図面を書きながら途中で建て主さんに連絡をとって打合せをしました。その建て主と大工さんはよく知っている間柄で、「○○さ任がせっだなださげ、いなだ。」と言った調子で、私が説明している内容をほとんど聞いてくれなかったのです。そして出てきたのが、今回の変更でした。
「そうだどは、思わねっけものやぁ。」と言った感じで、大工さんのと意思の疎通が不十分だった結果です。木材の加工が進んでいることを知っている建て主さんも気を使ってか、大工さんに行く前に私のところへ来たという事のようでした。
いずれにしても、前にもお話したように申請を出す前の建築計画をきちんと固めておくことが、大切だと言えると思います。