ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
トップに戻る
2007年9月

その204  計画変更確認申請          9月27日
 
建物を建てるために確認申請をすると、建築確認済証がおりてきます。それで工事着工となるわけですが、途中で何らかの事情ができて変更したくなる場合もあります。その場合に提出するのが、計画変更確認申請です。
この計画変更確認申請は、平成12年の改正のときにできたものです。じゃぁ、それまでは途中で変更するときにどうしていたかと言うと、計画変更届という書類で対応していました。これも工事完了の書類が届出から申請になったのと同じように、ランクが一つ上がったと言うか、チェックが厳しくなったと言うか、ですね。
計画変更も完了も届出の場合は手数料がかかりませんが、申請になってからは手数料がかかります。計画変更の場合は、変更の内容や面積によって手数料が変わります。完了検査申請の場合も面積で手数料が違いますが、こちらは1000u以下のものは確認申請よりも高く設定されています。それだけ重要視されてきているという事でしょう。
計画変更の場合は申請が要らない「軽微な変更」という範囲があります。安全上から見て不利にならない変更などは、その範囲という事ができると思います。
この計画変更が大きくなると、確認申請の出し直しが必要になってくる場合があります。でも、そこにも少し曖昧な部分があって、どこまで変わると変更の申請が必要なのか、あるいは出しなおしになってしまうのか、今回の6月20日の改正以降の対応に関しては、まだはっきり掴みきれていないのが現状です。
6月には、その改正に関しての講習会が開かれました。その時使ったのは4cmほどもある厚いテキストでした。それでも足りずに、10月にも講習会があります。申請に携わる私たちもまだ理解の途中ですが、審査する行政側の対応もまだ定まっていないという感じです。



その203  完了検査申請          9月20日
 
以前は、完了検査はあまり重要視されていませんでした。名前も今の「完了検査申請」ではなくて「工事完了届」でした。完了の検査も受けたり受けなかったりで、検査済証が必要でない場合は完了検査をしていないのが実情でした。
その後、完了届の提出を指導されるようになって、名前が完了検査申請になってからは100%検査を受けるようになっています。それでも木造2階建て住宅程度の完了検査の内容は、建物の形状(面積や高さ・間取り)が申請書のとおりか、シックハウスの換気設備が設置されているかといった軽微なものでした。
この6月20日からの改正では、完了検査の申請でも大きく変更になっている部分があります。その一つは、申請の際に工事の監理写真を添付するという事です。写真撮影の項目は、基礎配筋、木工事の建て方、軸組・仕口の金物等、耐力壁規格・施工の状況、といったところです。
このことは写真が必要かどうかは別にしても、あたり前にしておかなければならないことですが、そのあたりが曖昧になっていたものを今回の改正で明確にしたという事でしょう。
このことは工事の内容一つひとつに、法令順守という網をかけたと言えます。特に構造の面ですが、建築基準法が現存する構造・工法のすべてを網羅して決められているとは思えない部分もあります。でも、その部分はノーカウントで法令的には満足させる必要があるわけです。
現場でも、今まで以上に精度が高い施工が要求されてくると思います。お付き合いいただいている大工さんとも話をしていますが、慣れるまでは少し大変かもしれません。



その202  建築確認申請          9月13日

今年の6月20日から建築確認申請で、特に構造に関する部分が大きく変わりました。構造計算の基準や方法が変わるのではなくて、確認申請や検査時にチェックする方法と言うか項目が変わってきます。今までは建物は適正に建てられていくものだという前提で審査していたものが、間違いやごまかしがあるという前提でチェックするとでも言いましょうか。その対応や内容がようやく定まってきました。
詳細の構造計算を要する規模の建物の場合には、確認審査に加えて第三者機関による構造計算適合判定(ピアチェック)が必要になります。そのため今まで21日間だった審査期間が最大70日間まで延長されました。木造住宅でも、3階建ての場合はこれに該当します。
また、今までは申請書や設計図書に整合しない部分があっても訂正ですんでいたものが、再度申請しなおさなければならないようになっています。つまり、建物の計画(設計内容)についてきちんと決定していないと申請できないという事になります。
それと、工事の途中で内容が変更になる場合の変更確認申請も(どの程度まで変更が認められるのかまだ把握できていませんが)、その部分の工事の施工前に確認を受けることが前提となっています。すると、その時点で工事が一時ストップしたり、その分の工期が延びたりすることになったりもするわけです。
いずれにしても、確認申請の提出前に意匠的なことはもちろん、構造や設備のについても施主側がその内容を理解することも含めて、きちんと打合せが必要です。その分、工期にも余裕を持って計画することが必要です。



その201  クリのナラ枯れ2          9月6日
 
この間話をした、おじさんの山のクリの木のことが気になっていたので、以前に家の山のナラ枯れを処理してもらったKさんに話をしてみました。
ナラ枯れは北上を続けて、今は秋田のあたりまで広がっているそうです。そして、ミズナラ・コナラはやられてしまっても、同じブナ科のブナやクリは耐性があるのか樹液が多くて虫が入っても枯れずにすむのか、今まではあまり被害がなかったとのことでした。
もしクリにも被害が及んでいるとすると、これからもっと他の地域でもクリに被害が拡大したり、ブナにも被害が及んだりするかもしれないと言っていました。私も話を聞いただけで見てはいなかったので、さっそくKさんと一緒に山を見に行きました。
おじさんの山はすぐに分かりました。いつも私が車を止めるところから100mほど林道を進んだところで、山に入るように道ができていて、話の通り川には橋が掛けてありました。おじさんはいませんでしたが、とりあえずKさんと二人で入ってみました。
そこにはカキの木とクリの木がたくさん植えたありました。きっと山を切り開いて田んぼにしたのだろうと思われる形で、棚田のように段々になって畦道の様な跡が分かりました。そして、杉の木も植えてありました。まだ小さい背丈40cmほどのものから、少し大きくなって1m以上のものもあって、その山(と言うより畑)はきれいに手入れされていました。
そしてクリの木ですが、あちこちに枯れて朽ちてきたクリの木があります。枯れていなくても樹勢が弱く、一部枝が枯れていて幹にコケが生えているものもあります。虫が入った跡を探すと、ところどころにそれらしい穴や木屑っぽいものがありました。でも、時期が早いせいか雨が降った後だからなのか、はっきりとは確認できませんでした。
それでもKさんはその写真を撮って、県の機関に話をすると言っていました。私もまた山に来た時に様子をみて、後で報告することにしました。