ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
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2006年10月


その163  キノコU          10月26日
 
この間初体験のキノコ採り、その時に採ってきたキノコは全部で5種類です。
一番多かったのは、「モダシ」と呼ばれているとっても一般的なキノコです。倒木にかたまって生えるのだそうですが、今年は不作のようでかたまってとは言い難い感じの生え方でした。味噌汁にして食べています。食べきれないので、母が塩でとっておいています。
そして、そのモダシにちょっと似ている「根っこモダシ」とNさんが呼んでいたキノコが少しだけ。これは古くなった立ち木の根っこの辺りに生えていました。
それと「ナメコ」、これも2回ほど味噌汁に出来るぐらいありました。たぶん、本当の天然ナメコなんてものは初めて食べたと思います。これも倒木に生えていました。
あとは「ブナカノカワ」と呼んでいた白っぽいキノコ、これもブナの倒木に生えていました。。これはスギワケと見た目は似ていますが、柄がなくてカサの一辺が木にふっ付いたようになって、かたまって生えています。においがとても良くて、ソフトクリームうのようなにおいがします。油揚げといっしょに煮て食べましたが、歯ごたえも良くてとても美味しかったです。炊き込みご飯でも、いい香りがして絶品でした。今朝も煮物で食べましたが、口に入れるといい香りが鼻に抜けていきます。
そして、大工のNさんがとても喜んでいたのが「シシダケ」と呼んでいた、直径20センチ以上もある茶色っぽいキノコ。ラッパのように上に向って広がった形をしていて、大きくて肉厚です。でも崩れやすいようで、持って帰るときは慎重にあつかっていました。これは一個だけでNさんが持って帰りましたが、先週の水曜日にNさんの家でシシダケパーティーをしました。煮て食べましたが、食感もよくて美味しかったです。色は黒くなっていましたが、採ってしばらくするとそうなるのだそうです。これは
木のそばではありましたが、地面に直接生えていました。
モダシやナメコは知っていましたが自分で採ったのは初めてで、他のキノコは聞いたこともありませんでした。Nさんの話では、これからでてくるキノコはほとんど毒のないものなので、大体は食べられるものだそうです。今度また連れて行ってもらうことにしました。楽しみです。



その162  キノコ          10月19日
 
「キノコ」の語源は「木の子」だということを、どこかで見たか聞いたかしたことがあります。
この前の日曜日に、知り合いの大工Nさんにくっついてキノコ採りに行ってきました。Nさんは昔から山に行っている人で、山菜やキノコのことにも詳しくて、以前から連れて行って欲しいと頼んでいたのが、ようやく日程が合って実現したのでした。
その収穫はというと、Nさんにしてみればとても満足のいくものではなかったようです。誰かが採った後ということもあったのかもしれませんが、やはりキノコが生えていないという様子でした。今年は気象条件がそろわなかったせいもあるのかもしれませんが、どうもそれだけではないようです。
Nさんが目当ての場所に行って口にするのが「みんな土なたもの」、という言葉でした。そのあたりはブナなどの倒木が多くて、それにキノコが生えてくるわけです。その倒木が数年すると腐って土に返るわけで、その調度キノコが生える時期が過ぎてしまったものが多いということのようでした。
また新しい倒木にはキノコが生える時期が来るわけでしょうから、そのちょうどいい倒木がいっぱいあることと気象などの条件が合えば、キノコも大豊作ということになるのでしょう。
キノコが全部木から生えてくるわけではありませんが、私の家の柿の木を伐って始末した時も、その木屑が落ちた場所からキノコ(もだし)が生えてきました。そんな様子から見てもキノコは木の子なんだろうなぁと思いながら、山で採ってきたキノコを食べています。



その161  樽と桶          10月12日
 
先週、黒川のあるお父さんからもらってきた樽の話をしました。木で作った、水(液体)を入れる容器ということになります。私が知る限りでは、杉が使われています。
この樽、少し湾曲した形に削った板を組み合わせて、竹を組んで作ったタガをはめて作っています。これと似たようなものに桶があります。酒樽、味噌樽、・・・、風呂桶、寿司桶、・・・、といった具合です。
どこが違うかといえば、蓋があるかないかだけ、・・・とか勝手に思っていました。そしたらなんと、もっと違うところがあったのです。それは、樽に使う板は板目で桶に使う板は柾目、ということです。
樽に使う板目板は、板の面に対して年輪が平行に走っているので、水が浸み込みにくくて液体のものの貯蔵に向くというわけです。それに対して桶に使う柾目板は、年輪が面に対して垂直で水分が浸み込みやすいので、長期間水をためておく必要がない風呂桶や、寿司を入れたときに蒸れないように寿司桶などに使われるということです。
家にある酒樽はどうかと思ってみてみると、なるほど、板目でした。
風呂桶はあまり見ませんが、すし屋さんに行ったら寿司桶などは見ることがあるので、今度気をつけてみてみようと思います。



その160  樽          10月5日
 
今年の2月の王祗祭が終わって、来年の当屋を受ける家のそのお祝いの席に案内をいただいて、お邪魔してきました。入れ替わり立ち代り、大勢のお客さんがやってきては帰って行きます。中でご馳走になるのは初めてのことなので、「こんな雰囲気なのかぁ。」と、出されるお酒をいただいていました。
そこで振舞われるのは、もちろん日本酒です。お銚子でも出されますが、2升ぐらい入りそうな小ぶりの樽に入れた酒も注いでまわっていました。
「この樽、なかなかいい感じだなぁ。」などと思いながら1時間ほどお邪魔して帰ってきました。その時に、隣にいたお父さん(中学の同級生のお父さんで、前から知っている)を、いっしょに車に乗せて家まで送ってきました。もちろん女房に迎えに来てもらってです。
帰りの車の中でそのお父さんが、「今野さんや、樽くいっがぁ。」というので、私の頭の中ではさっきの席でお酒を入れていた小ぶりの樽が頭に浮かび、すぐにもらうことにしました。そして、そこの家について見せてもらった樽はなんとでっかい、2斗は入りそうな、樽太鼓にちょうどいいぐらいの杉の樽でした。もらうといっておいて、見てから大きいからいらないなどと言うのもどうかなとも思い、酔いも手伝って、「まぁ、もらっていくか」と車に積んでもらってきました。
小ぶりな樽であれば、酒を入れて飲んでみようと思っていたのですが、この大きさではちょっと無理そうで、その樽は家の廊下でものを置く台になっています。それでも、木が好きな私にとってはそれほど邪魔だとも思わず(ほとんど家にいないくせに)、時々蓋を取っては木と酒の香りを嗅いでみたりしながら、何に使おうか考えています。