ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
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2006年3月

その134  灰V          3月23日
 
事務所の廻りの田んぼが、ようやく全面土色になりました。今日も先週に続いて“灰”の話をしたいと思います。
灰の中に塊りができることを、先週納得したような気持ちになっていましたが、よく考えてみると塊りができるのは普通だとしても、その塊りが何なのか、なぜ出きるのかというのはまだ分かっていませんでした。と言うようなことを考えていた時、あることを思い出しました。
私が小さかった頃(4・5歳の頃)、囲炉裏の灰に磁石を突っ込んでかき回すと、その磁石に砂鉄(と呼んでいた物)が付いてきました。その砂鉄を払って紙の上に載せ、その紙の下から磁石をあてる、そうするとその砂鉄は磁石の動きに合わせて踊るように動きます。それが楽しくて、しょっちゅうそんな事をして遊んでいました。やがて家が建て替えられて、それでも茶の間にはかろうじて3尺四方の囲炉裏がつくられたものの、家のつくりが違います。その囲炉裏はあまり使われずに畳みの下になっています。当然その砂鉄遊びもしなくなって、そんなことはずぅーっと忘れていました。
あの砂鉄(と呼んでいた物)はいったいどこから来たのでしょうか。木の中に微妙に鉄分が含まれていて、それが溜まって灰の中に残る、なんてことがあるとすると、あれはホントに鉄の粉だったのかもしれませんね。
鉄の融点は1530℃程だそうです。でもそれに炭素が混じると1150℃ぐらいまで融点が下るのだそうです。
炭火の中でその鉄分が、どろどろにまで融けなくても少し柔らかくなって廻りの灰や鉄分とふっ付いてあの塊りができる、としたらかなり納得できますね。
などと本当らしく書いてしまいましたが、想像の域を超えていませんのであしからず、確認ができましたらまたお話します。そして、家の茶の間の床下に眠っている囲炉裏、いつかちゃんと使いたいと思っています



その133  灰U
 
2月の終わりの日曜日に、いつもの林業実習に参加しました。その実習で行く山の入口には竹炭を焼く炭焼き小屋があります。その日は雨で午前の実習が終わった後に、その炭焼き小屋に立ち寄りました。そこの薪ストーブ(ブリキタイプ)にあたりながらあく水の話しをしたときに、そこの主のKさんが「あぐ水は、塊りなたよだ灰がら取っど良いあぐ水なんなやぁ」と言っていました。先週話したEさんが言っていたのと同じです。
そう言えば、事務所の火鉢の灰にも塊りができていきます。何でこんなになるのかからず、初めのころは炭が悪いのか灰が悪いのか、などと思ってあく通しをしてみたりしましたが、塊はその後もできていきました。灰の中の鉄分かなんかが融けて固まるのかなんて思っていましたが、なるほど、今回みんなに聞いた話で納得できました。
事務所では冬になると火鉢に炭火を入れます。直径25cmほどの火鉢に冬中かかって溜まる灰は2cmかそこら、微々たる物です。でもその灰は、灰としては良い灰という事になるわけですね。
木を育てる、その木から実をとる、その木を用材として使う、その木を燃やして燃料にする、そしてできた灰さえも無駄にしないで使いきる、先人の暮らしの知恵、始末の良い暮らし振りには感激さえ覚えますね。
そろそろ声をかけた先の灰も溜まってきたころでしょうから、もらってきた灰をちょっと比べてみてみようと思います。
 


その132  灰          3月9日
 
木を燃やすと灰になります。炭も同じく灰になります。
去年の暮れのこと、ある知人Eさんに「灰が欲しいけど、なんとかなるだろうか」と話をかけられました。何をするのかと思って聞いてみたら、トチ(橡・栃)の実を寝かせておくのだと言うことでした。あく水を取って笹巻を煮たり、山菜のあく抜きをしたりするのは知っていましたが、いろんな使い方があるもんだとあらためて感心しました。
そのEさんは、私だったら薪ストーブを使う人を知っているだろうから何とかなるかなぁと思って来たのだそうです。確かに、輸入品の少し高級なタイプからブリキで出来た超安薪ストーブまで、使っている人を何人も知っています。これから冬本番という時期だったので、今のうちに声をかければ何とかなるだろうと思ってそのうちの4.5人に声をかけたところ、一人からは今あるとの返事が返ってきました。
さっそく灰をもらってきてEさんに見てもらったところ、なにやらこれは“良い灰”だそうで、なにが違うのか聞いてみました。
高級タイプの薪ストーブは前にも話したことがあったと思いますが、燃焼効率が良くて燃えるものは全部燃え尽きてできる灰は軽くてフワフワした感じです。一方ブリキの薪ストーブでは燃焼効率が悪く重い灰になります。何故か知りませんがこの重い灰が良いのだそうで、塊になっているようなのがなお良いのだそうです。
私は単に接着剤などを使った合板を燃やさない灰ということだけに気を使っていましたが、なるほど灰にもいろいろあるんだなぁと、またまた感心しました。



その131  確認申請U          3月2日
 
先々週に続いて確認申請の話をしたいと思います。
確認申請の申請者はだれかというと、その建物を建てる本人:建物にお金を出す人=登記の名義人になる人です。その申請には建て主のほかに名前が載る人がいます。まず設計者(建築士、必須)、そして監理者(建築士、着工前であれば後で届出可)、施工者(着工前であれば後で届出可)です。
それと、書類を作って確認申請を提出する手続きの作業を代理すると言う意味で代理者(大体は設計者)があります。
どんな場合に確認申請を提出するのでしょうか。まず旧鶴岡市ではなしをすると、住宅が建っているような場所のほとんどは“都市計画区域”に指定されています。それ以外の場所でもほとんどが“建築基準法第6条”の指定がされています。この指定がある場合は原則確認申請を提出して確認済証(前は確認通知書)を受けなければ建物を建てることができません。
では、都市計画区域でもなく6条区域でもない場所はと言うと、・・・そうなんでです、確認申請を出さなくても一定規模までの建物を建てることができます。一定規模と言うのは、木造で言うと2階建てで延面積が500u以下ですから、普通の住宅程度であれば該当することになります。
その場合でも“建築工事届”という書類を提出しなければなりません。
旧鶴岡市でも、ごく一部にそういったところがあります。どういう場所かと言うと市の中心から離れたところ、簡単に言えばへき地といったところでしょうか。でも、時には隣同士で確認申請を出さなければいけないところとそうでないところがあったりするわけです。なんとなくしっくりきませんが、どこかで線を引かないといけないのでそんなところが出てきたりするわけですね。
また、確認申請を提出しないからと言って基準法に適合しないような建物では困ります。安全上・構造上問題があるので、それはちゃんとつくるのは言うまでもありません。