ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
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2005年6月

その98  カビU          6月30日
 
カビの仲間は非常に種類が多く、約5万種類もあるそうです。カビの仲間といってもいろいろあります。日本酒や味噌をつくるときの酵母や、いつも食べているキノコもカビの一種のようです。けっこう役に立っているのもあるんですね。
木材にとって一番怖いのは木材腐朽菌、その名のとおり木材を腐らせていくわけですから、困ったものです。
今建っている木造住宅の多くは、柱が表に出ない大壁になっています。当然、土台や梁も出ていません。この壁の内側と外部の温度差で壁体内結露が起こると、柱や土台などが湿気を帯びて木材腐朽菌にやられたり、シロアリにやられたりするわけです。
壁体内結露を防ぐには、一つは適度な断熱と気密で壁の中と外の温度差を小さくすることです。特に床と壁の境目や壁と天井の境目は注意が必要です。床下の冷たい空気が壁の中に上がってくると、必ずそこで結露を起こします。
それともう一つは、通気層をとって壁の中に湿気をためておかないことでしょう。最近はこの通気層もきちんと施工されているようです。
でも、一番いいのは真壁造りにして、柱や梁を現しにしておくことだと思います。私の事務所は柱・梁がそのまま見えます。玄関では土台がそのまま見えますが、まったく問題ないですね。



その97  カビ          6月23日
 
先日、東北地方にも「梅雨入りした模様です。」のコメントが出ました。その割に雨は降りませんが、むし暑いのは確かです。高温多湿の日本の夏は、カビにとっては好都合なようで、木造住宅にも多くのカビが発生します。
住宅でカビ発生の代表は、やはり浴室でしょうか。浴室はなんと言っても湿気が多いわけですし、温度も高めです。それに加えて、体から出てきた汚れや石けんの残りなど、カビにとってはいい環境がそろっているわけです。
浴室のカビを防ぐには、一つは汚れを残しておかないことです。最後にお風呂に入った人は、壁面や床面をお湯でサァーッと流しただけでも、ずいぶん違うようです。そして、もう一つ大事なことは換気です。できれば朝まで換気扇をまわしておいたほうがいいようです。
浴室についている換気扇は、ほとんどが排気専用です。狭い浴室の中では、締め切ってしまうと排気能力がが充分発揮されません。浴室のドアに吸気用の框が付いている場合は、それを開放の状態にします。また脱衣室の入口ががドアの場合は、ガラリが付いていればOKですが、そうでない場合は少し隙間を空けておきましょう。窓を開けておくことができればなおいいのですが、防犯の面からいってあまりお勧めではないですね。
カビも軽度の場合は、直接建物に悪影響はないと思いますが、アレルギーの原因になりますし、なんと言っても見た目が良くないです。それに湿気があると言うことは、木材などが腐りやすい環境だと言うことですからから、こまめな掃除と換気で綺麗なお風呂を楽しみましょう。



その96  瓦          6月16日

木造住宅の屋根の代表格に瓦があります。県内でも内陸のほうはカラー鉄板が多いのに対して、庄内では瓦の比率が高いようです。
雪が降る土地では屋根に雪止めをつけます。瓦にも雪止瓦というものがあります。最近のものは平瓦と一体になった雪止めになっていますが、少し前までは弧の形をした雪止めの瓦を平瓦の上に銅線で留めていくのが一般的でした。
今年、春になってからこの雪止めが落ちている、あるいはずれているという相談が何件かありました。銅線で留めたものは、15〜20年ぐらいで銅線が弱くなっているので、落ちやすくなっているところにこの大雪の影響もあったのでしょう。
落ちたりずれたりしているものは、次の冬に雪の影響を受けやすくなっているので、早めに修理しておいたほうが良いでしょう。と言っている私の家の雪止めも落ちていて、先日修理してもらったところです。
また、雪止めに限らず棟の部分や平瓦も、雪が落ちるときに引っ張られてずれたり外れたりしていることもあります。瓦は離れたところから眺めると整然と並んでいて、どこかがずれていいると分かりやすいものです。雪でずれてきたのか、あるいは影響の無い程度のものなのか、いずれにしても気になったら屋根やさんに見てもらいましょう。



その95  シロアリU          6月9日

先日、5年ほど前に床下のシロアリの防除をしたお客様から電話があって、シロアリが出ているとのことでした。5年というと防除の補償が切れて効果が落ち始める頃ではありますが、シロアリ発生にはちょっと早いなぁと思いながらすぐに行ってみました。
そこにいたのは確かにシロアリのようでした。床下を確認してみるととりあえず大丈夫なようで、もしかしたらここに入るために他から飛んで来たのかな、とも思いました。でも、聞いてみると基礎の立ち上がり面にかなりの数がいたとのことでした。そのシロアリがいたという基礎の周りを見回してみると、長さ30cmほどの角材の端材がありました。それを起こしてみると、・・・んぅ、スカスカの状態、いました、光が当たってびっくりしたシロアリが木の中のほうにモソモソと逃げていきます。そのほかにも杭や竹が家の脇に積んであったので、そこも見てみるとやはりシロアリの食害がありました。
とりあえず市販の防除剤でその部分を駆除しました。そこは勝手口のすぐ近くで、見てみると勝手口のドアの下にシロアリの死骸があります。そしてそのドアの木枠の部分に、なんやら虫穴らしきものが、・・・突いてみると表面が崩れて中にはシロアリがモソモソ。
5年前の床下の防除はやはり効果があったらしく、基礎の脇の木材から土台には進入できずに、床下防除では手の届かなかった勝手口の枠材に入ってきたようです。その枠材から中の柱に入っているようなので、そこにも市販の防除剤を吹き付けておいて後から取り替えることにしました。
念のために専門業者に連絡してみていただきました。やはり床下は無被害のようなので一安心。でも近いうちにまた全体の防除が必要だろうと思われます。
もし5年前に防除していなかったら、今頃床下もシロアリの餌になっていたかと思うとゾッとしますね。それと、床下の防除をしても基礎のまわりに木材を置いておくと、そこに巣くっていてそこから家に侵入することになるようですから、気をつけないといけませんね



その94  日照U          6月2日
 
6月にはいったら、何だか急に暑くなってきました。
夏至の日と冬至の日を比べると、当然夏至の日のほうが太陽が高い位置にあります。と言うことはできる影が短いと言うことになります。冬至よりも夏至のほうが、太陽光の角度が地面に対して直角に近くなっていると言うことです。
夏至と冬至ではどのぐらい太陽の高さが違うかと言うと、たとえば住宅の部屋の日照でみてみます。真南に面した8帖の部屋があるとします。屋根の軒の出が3尺(約90cm)とします。
夏至の日は太陽が高い位置にあるので光は軒にさえぎられて、直射日光は窓から部屋に入らないことはもちろん、外壁にも当たりません。と言うことは、南に面した部屋は夏の日差しの影響が少ないと言うことになります。夏至の日は外壁の北面に太陽光が当たるだけでなく、南面に太陽光が当たらないことになるわけですね。でも、直射日光はあたらなくても反射光などがありますから、明るさは充分とれます。
冬至の日は太陽が低い位置にあるので、3尺も出ている軒はほとんど邪魔にならずに、8帖の部屋の一番奥まで直射日光が届きます。もちろん外壁にも直射日光があたります。つまり冬暖かい部屋になると言うことです。なんかいいですねぇ。
風向きや家の周りの状況によって部屋の環境が変わるので、これだけで判断は出来ないわけですが、南側の部屋がよさそうなことは想像がつきますね。
文字にすると分かりづらいので図に書いて説明できると良いのですが、ここではちょっと無理なので興味のある方はご一報ください。