ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
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2005年5月

その93  日照          5月26日
 
昨日の天神まつりはちょうどいい天気で、さぞかし紫外線も強かったでしょう。夏は日中が長いだけでなく、太陽の位置がが高い=地面に対して垂直に近くなるので、空気の層を通ってくる長さが短くなって日差しが強くなってくるわけです。
日影規制では一番昼の時間が短い、そして影が長くなる冬至の日の午前8時から午後4時の間の影のできる時間を測定します。それ以外の時間はノーカウントです。冬至の日が日影規制にとって一番不利な状態になると言うことです。
先週の日影規制のはなしで影ができる北側の離れと言いました。太陽が南にあれば影は北にできる、あたり前の話ですねぇ。そう、太陽が南にあればです。
夏至の日の日の出は午前4時すぎです(正確な時刻分かりません・申し訳ない)。その時の太陽の位置は真東よりもずっと北にあります。太陽が真東に来る午前8時すぎまでの4時間ほどは影は南側にできます。
そして日の入りは午後7時すぎです。その時の太陽の位置は真西よりもずっと北にあります。太陽が真西に来る午後4時前からの3時間半ほどは、やはり南側に影はできます。
と言うことは、夏至の日は太陽が出ている約15時間のうち半分の7.5時間ほどは南側に影ができていることになります。まだ夏至までには一ヶ月ほどありますが、今の時点でも一日のうちの何時間かは北側の外壁に太陽が当たり、影が南側にできていることになるわけですね。
朝寝坊の人は南に窓のある部屋を寝室にしましょう。



その92  日影規制          5月19日
 
今日はあいにくの雨ですが、5月ともなると日の出も早くなって日差しもだいぶ強くなってきます。話によると紫外線が一番強いのは5月だそうです。
家を建てるとなると、できればお庭が欲しい、そしてそのお庭にはサンサンと日の光が差して欲しい、と誰もが願います。その敷地の日差しを確保するために出来たのが建築基準法でいうところの日影規制、山形県では平成14年の4月から条例が施行になっています。どのような規制かと言うと、建物を建てる場合に隣地に影ができる時間を規制して、そこの日照を確保すると言うものです。
でも、最近住宅を建てたのにそんなことを設計者(施工者)から何も聞いてない、と言う人も多いと思います。それもそのはず、今建っている住宅のたぶん9割以上は日影規制のかからない大きさだと思います。
では、どういった建物に規制がかかるかと言うと、鶴岡の場合でいうと
 ・ 1種低層住居専用地域では、軒の高さが7メートルを超える建物
 ・ 1種低層以外の住居系の地域では、最高の高さが10メートルを超える建物
となっています。
もちろん2階建て程度の住宅でも、ちょっと大きくなるとこの高さ以上のものになりますから規制がかかってきます。それによって屋根の高さを低くしたり、あるいは影ができる北側の離れを多くとったりしないといけません。
 
余談  影と陰
陰は光が当たらない暗い部分を指すようですが、影は光が当たる部分を指す言葉でもあるようです。使い分けが良くわからなかったのですべて「影」を使いましたが、詳しい方がいたら教えてください。わたくし今野、化学も苦手でしたが国語はもっと苦手でした。特に漢字は苦手でした。あしからず。



その91  和釘          5月12日
 
釘をイメージします。真鍮やステンレスのものもありますが、多くの釘は鉄で出来ています。
鉄は錆びますよね。わたくし今野、化学はあまり得意ではありませんでしたが、鉄Feが酸素Oと結びついて酸化する、そのことが錆びることのようです。
錆びないようにメッキした釘やステンレスの釘などがあるわけで、鉄の釘は錆びて当たり前、何十年かすると錆びてボロボロの状態になるのだろうと思っていました。
しかし、法隆寺大工の西岡常一棟梁が法隆寺の修復を手掛けたとき、千年以上も前の釘が十分にその役割を果たしていたそうです。それはなぜなのでしょうか。
今の釘は高炉で鋳造(型にはめて固める)したものです。ではその法隆寺に使われていた釘はどうかというと、砂鉄を炭で還元し鍛造(たたいて鍛える)したものだそうです。それは現在使われている釘よりも純度が高く、錆が出ても表面だけで中までは錆びないのだそうです。その釘を和釘といいます。それは今の丸い釘と違って、四角い形をしています。長さは30cmほどあって、鋳造した釘に比べて強度も高いそうです。
和釘は打ち直して、槍鉋などの刃物をつくったりも出来るそうです。すごいですねぇ。
その中身がどう違うかは私も説明できませんが、ひとつ分かる事は和釘をつくるのにはものすごく手間が掛かるということです。よいものをつくるには、やはり手間ひまがかかるんですね。
今現在この和釘を商売としてつくっている人がいるのかどうか、たぶんいないのだと思いますが、つくったとしても高くついてとても商売にならないのでしょう。