ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
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2005年4月

その90  桜          4月28日
 
鶴岡公園の桜も、今がちょうど見ごろです。今年は低めの気温にも恵まれて(?)か、桜の花も長持ちしてますね。
桜の木といえば、建築にも使われています。これはよく目にするソメイヨシノではなく、ヤマザクラやシウリザクラと言う種類です。この桜は、なんとバラ科なんですねぇ。でも、トゲはありませんね。
材質は硬くて加工性はあまりよくありませんが、その割りに狂いは少ないようです。気乾比重が0.67〜0.69とケヤキの0.62に比べても一割ほど重くなっています。色は赤っぽいと言うかピンクっぽいと言うか茶色っぽいと言うか、そんな感じです。
板材や造作材・家具などに使われますが、実際には品数が少なく高価なため私は使ったことがありません。使ったことがあるのは桜の皮付きの化粧材で(加工品)、柱や天井のサオ縁にしています。最近はほとんど話に聞きませんから、その気になって探さないと手に入らないのかもしれません。
また、カバノキ(マカバ)やミズメをカバザクラとかミズメザクラと呼んだりしますが、これは別種です。分類上もバラ科ではなくカバノキ科になります。材質や色は似ていますし、そのため用途も同じなのでそう呼ばれるようになったのでしょうか。こちらも出回る量は少ないようです。
桜といえばもう一つ、燻製にするときのスモークチップになりますよね。桜の木下で桜のスモークチップでつくった燻製で一杯、いいでしょうねぇ。と、最後はまたお酒にたどり着いてしまいました。
 
来週の木曜日は5月5日、木の話はお休みにしたいと思います



その89  建物の内装制限          4月21日
 
先週に続いて内装制限の話をしたいと思います。
内装の防火に関する基準には、性能の低いほうから難燃・準不燃・不燃・・・などがあります。石こうボードの9.5mmは準不燃、石こうボードの12.5mmは不燃になります。
簡単に性能の話をすると、不燃は火災の場合に20分間燃えない性能で、準不燃は同じく10分、難燃は5分と決められています。それぞれ試験をしてクリアしたものが、その材料として認定されるというわけです。
住宅の台所やボイラー室にかかる内装制限は準不燃以上ですから、石こうボードの9.5mmに機材同等の認定のあるビニルクロスなどを貼るのが一般的です。
表面が木の単板や紙の合板、それにムクの木の羽目板などは、この内装制限のある部屋の壁・天井には使えません。が、中にはそれを可能にするものがあります。不燃塗料といわれるもので、木材に塗るだけでそれが不燃材料になるというものです。なんだか魔法の塗料みたいですね。
この塗料は、透明で表面に皮膜をつくるものです。見た目は木がそのまま出るわけですが、皮膜をつくるため触った感じは硬いビニルと言った感じになってしまいます。それでも意匠的にどうしても木を使いたい場合などは、こういったものが活躍するわけですね。もちろんシックハウスの関係もクリアしているF☆☆☆☆です。
住宅には使ったことがありませんが、去年ある現場で使ってみました。仕上がりも結構きれいでした。そこまでして木を使うかどうかというのも考えるところなので、お勧めするわけではありませんが、世の中には色んなものがあると言うお話でした。
 


その88  建物の内装制限          4月14日
 
建物の表面に見える部分には、外部では屋根・外壁・アルミサッシなどがあります。内部では、床・壁・天井・内部建具等があります。
住宅を建てる場合は使う材料や色・柄などを選んで、自分の好みに合った仕上げにしていくわけです。しかし、自分の好みであれば何を使っても良いわけではありません。
外部で言えば、建築基準法で言うところの法22条にかかる地域(確認申請を提出しなければならない地域とほぼ一致)では、屋根は不燃材料でないといけません。瓦やガルバリウム鋼板は不燃材料ですから普通は問題ありませんが、板葺きや茅葺はできないと言うことになります。
外壁では、延焼の恐れのある部分についての防火性能が指定されています。一番多く使われている窯業系の防火サイディングでも単体ではクリアできずに、内部の仕上げや壁体内の断熱材とのセットでの認定になっています。
この延焼の恐れのある部分と言うのは、隣地境界からの離れが1階で3m、2階で5m以下の部分のことをいいます。隣が火事のときに延焼しやすい部分と言う意味でしょう。また、火は上にいく分広がると言うことで2階は5mになっているのでしょうね。
では内部ではどうかと言うと、住宅に関しては内装の制限はありません。ただし火気使用室、たとえばガスコンロを使う台所やボイラー室などは、壁と天井に準不燃以上の防火性能が必要です。それと車が入る車庫も、同じく壁と天井に準不燃以上の防火性能が必要です。車は火を噴く、と言ったところでしょうか。
リビングの腰壁ににムクの羽目板を張ったりしますが、台所と続いているLDKタイプでは出来ないことになりますね。ただし、台所とリビングを天井からの高さが50cm以上の不燃材料を張った下がり壁で区画すると、別の部屋とみなしてリビングの壁や天井にムクの羽目板などを張ることができます。
床に関しては、内装制限はありません。これもやはり、火は上に広がると言う意味なのでしょうか。
同じ住宅の台所でも、平家の場合や2階建てで2階にある台所には内装制限がかかりません。1階の台所で火が出たときに、2階にいたら非難する前に階段や廊下に火が回って、逃げ遅れるといった意味でしょう。
また、近ごろ流行のIHヒーターは火が出ないという理由でしょう、内装制限がかかりません。
台所等でかかる準不燃の内装制限で、一番多く使われるのは石こうボードです。石こうを紙で挟み込んだものですが、普通は上にビニルクロスを貼る場合の下地になりますから、出来上がった後はほとんど見えません。石こうボードは押入の壁や天井にも使われたりしますので、押入をあけると見えるかもしれませんね。
普通のムク板や合板は、この内装制限のある台所には使えないと言うことになりますが、なかには使えるものもあります。と、長くなってきたので来週にしたいと思います。その頃は、開花が遅れぎみの鶴岡公園の花も見ごろでしょうか。たまには桜の木下で、のんびりとお花見をしたいですね。



その87  柿の木          4月7日
 
家の庭に一本の柿の木があります。これは庄内柿のような平種無しでは無く、頭のとがった木ザワシの富有柿です。とは言っても、毎年500個ぐらいつける実の中で甘くなるのは2〜3個、それもここ何年かは0個という状態でした。甘くならなくなったこの柿で、毎年干し柿を作っています。私が小さい頃はもっと甘くなる柿が多かったように記憶しています。
これは他の家にある富有柿も同じ状態だそうです。庄内柿が多くてその花粉で受粉するうちにこうなったのだと言う話もあります。
この富有柿は甘くなると実の中に黒い粒粒のようなものが出来ています。なので、皮をむくとそれが甘いか渋いか一目瞭然です。
そしてもう一つ、甘くなった柿には種が出来ています。この柿も甘くならないものには庄内柿と同じように種が出来ていません。中には8個出来るはずの種が3〜4個程度できているものがあって、その種があるところだけ甘い、なんてのもあります。おもしろいですよね。
で、なぜにこの春に柿の話かというと、一昨年に従兄弟が九州のほうだったか関西のほうだったかからもらった富有柿を食べて、その種をとって置いてくれました。それを去年の春に事務所の脇に撒いておいたところ、芽が出て葉っぱも出て結構大きく伸びました。秋には葉が落ちて、そして雪の下に隠れていたわけですが、雪が解けて見てみるとまだ細い柿の木がちゃんと残っていました。
桃栗3年柿8年、このまま大きくなってくれれば、庄内柿とは違ったあの木ザワシの柿が食べられるかな?などと考えています。
このままにしておいていいものか、それとも鉢にでも移すかなどと思案しています。それに苗を作るときに接木なんかは必要なのかな?などとも考えます。
いずれにしても、このあたりに置いて庄内柿に汚染(失礼)されても悪いので、少し大きくなったら山にでも持っていって移植しようかと思っています。
何年後かに実がなったら、また報告します