ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
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2004年4月

その40  バイオマス          4月29日
 
先週ペレットストーブの話をしました。
バイオマスという言葉を聞いたことがあると思いますが、ペレットもその一つです。
バイオは生物とか生物資源の意味で、マスとは量という意味です。直訳すると生物資源の量ということになりますが、最近では“生物エネルギー”という意味で使われています。その意味では石油や石炭もバイオマスと言うことになるのでしょうかねぇ。
ペレットなどは木質バイオマスということになりますね。木炭も、そして普通に薪も木質バイオマスというわけです。
物を燃やすと二酸化炭素が出ます。それは石油でも薪でもおんなじです。それじゃ、石油焚いたって薪を燃やしたって同じかというとそうではありません。
石油・石炭は何万年か何億年かかけて、地球が今の形なる過程の中で、二酸化炭素を地中に閉じ込めてきました。それを使い果たせば、地球はその何万年か前の状態に近くなってしまう訳です。しかもここ数十年という急な速度でです。
さらに、石油や石炭は人の手で容易に再生はできません。
一方地球上にある木は、数十年単位で人間の手でも再生できる物が多いわけです。
木は成長しながら二酸化炭素をどんどん蓄えていきます。そして100年育ったあとに建築用材となり、建物として更に100年二酸化炭素を蓄えた状態でいます。その役目が終わったら、薪になったり土に返って二酸化炭素を吐き出します。
その二酸化炭素のサイクルが地球の表面で行われていれば、地球の温暖化は無いのでしょう。しかし、石油・石炭・天然ガスなどは地中から掘り出して使っているわけですから、今まで大気中に無かったものを吐き出しているようなものです。
そういう私も石油ストーブ、ボイラーを使っているわけですが、ここでこうやって書きながらもちょっと恐ろしくなってきました。
私の知り合いには、薪ボイラーを使っている人もいます。
ペレットストーブ・薪ボイラー、本気で考えようかなぁ。



その39  ペレットストーブ          4月22日

暖炉とは別ですが、最近話題になっているペレットストーブなる物があります。用材にならない木や廃木材を粒状に固めたもの=ペレットを燃料にするストーブです。
私の知り合いでも、ペレットストーブを取り付けた人が2人います。(なんとミーハーな)
ストーブ本体もだいぶ工夫を凝らしていて、ペレットは自動供給で扱いやすいとの事ですし、煙突を見てもそれほど煙らしい物も出ていなくて、結構クリーンな感じでした。
燃料のペレットはどちらも、松くい虫の被害木を使っているという庄内産のものを使っていました。
ただ、肝心のストーブとしての役割=暖かさが今ひとつのようです。強制送風して直接の燃焼なので、煙突からの熱損失が大きいのかなと思いました。暖炉のように二次燃焼もないわけですし、輻射熱もそれほど感じられませんでした。ストーブの前に立っていても、大きい本体のわりには暖か味が伝わってこない感じです。
それと本体のデザインも、昔小学校にあった石油ストーブといった風で、一般住宅にはまだかなといったところです。
でも、資源として先が見えている石油の替わりの一つとして、また地球温暖化防止の立役者として、もっと普及してくるかもしれません。
まだまだ発展途上のようです。



その38  煙突          4月15日

暖炉を取り付ける場合、何と比較するかによって違いますが結構お金がかかります。工事費も含めて仮に80万円かかったとします。そのうちの半分約40万は煙突にかかります。
見た事がある人はわかると思いますが、暖炉に取り付けている煙突は二重構造になっていて太いんです。空気層があるタイプと、断熱材を使っているものがあります。
暖炉は暖房に使うわけですから、煙突を断熱せずにそのままにしておいたほうが煙突の熱も有効利用できて暖かいのになあ、なーんてのんきな事を、前は思っていました。
煙突に断熱が必要な理由は二つあります。
その一つ、薪を燃やす時に本体が空気を吸い込むためには、煙がどんどん上に上がっていかないといけません。それが途中で煙の温度が下がると煙が上がらず、空気の取り込みが悪くなり燃焼効率が落ちる事になります。温度が下がらないと煙は上に上がり、暖炉が空気を吸い込むのでよく燃えます。
もう一つ、薪を燃やした時に発生するガスが冷やされると、タールとなって煙突に付着していきます。煙突の掃除も大変ですが、このタールに火が付いて火事になるなんてことも考えられます。
たかが煙突、されど煙突、太陽にほえろでいうと長さん・水戸黄門でいうと風車の弥七ぐらい、大事な存在なんですね。



その37  暖炉と薪ストーブ          4月8日

暖炉という言葉を聞いただけで、炎がゆらゆらゆれる暖かいイメージがあります。友達のログハウスにも暖炉があり、遊びに(酒飲みに)行くと冬は暖炉の前であたたまりながら、ゆっくりと時間が流れていくのを楽しみます。
ところで、この暖炉とは何者なのか、薪ストーブとは違うのでしょうか。感覚からいうと暖炉のほうが高級な感じ、薪ストーブというと普通に薪を燃やすだけというところでしょうか。
少し調べてみるとこの二つ、はっきりした定義はないようです。
一つは、耐火煉瓦などで建物につくり付けにしたものを暖炉、据え置き型のものを薪ストーブと呼ぶ、あるいは、扉がなくて炎が直接見えるものを暖炉、扉があって密閉できる物=空気の量を調節できる物を薪ストーブと呼ぶ、という見方があるようです。
いずれにしても、いつも私が暖炉と呼んでいる物は薪ストーブの類にはいリますが、ここでは区別するために暖炉とと呼ぶ事にします。
ではこの暖炉は、よく大工さんの作業場にあるような薪ストーブと同じなのかと言うと、そうではありません。
材質は暖炉は鋳物ですが、薪ストーブは普通に薄い鉄板です。これは蓄熱や輻射熱の面で違いがでます。
また暖炉の場合その構造によって、木が燃える一時燃焼に加えそこで発生したガスが燃える二次燃焼があり、高級なタイプは二次燃焼用に空気の取り入れ口があるものや、触媒で二次燃焼を促すものもあります。それだけ熱効率がよく、排気もきれいになっていくわけです。
また、対流式のタイプでは本体の表面があまり高温にならないので、子供などにも安全です。
最近は住宅に暖炉をつけたいという人も増えているようです。私が関わったところでもいままで3軒でを設置しています。
先日、この次の冬用の薪運びをしてきました。もちろん目的は、その後の反省会なんですけどね。



その36  竹炭          4月1日
 
木炭といっしょに最近聞くのが竹炭=竹で作った炭です。
やはり床下に敷いたり、調湿・脱臭用に室内に置いたりして使います。効果のほどは、私の知る限りでは木炭も竹炭も同じようです。また、木酢液と同じように竹酢液も販売されています。でも、炭火焼に竹炭を使った話は聞いた事がないので、今度ためしてみたいと思います。
加工品として、竹炭を使ったシートや枕などもあるようです。炭はアルファ波を出しているので熟睡できるとか、湿気を調整してくれるので爽やかな眠りが得られるとかの効果があるようです。
去年、三瀬に竹炭の窯が出来ました。里山日記に書いた酒田の家の床下には、その窯で焼いた竹炭が敷いてあります。
ところで以前ここで、竹はイネ科だと言いました。ということは、植物の中でも草に近いということになります。草でも炭が出来るんですね。
他には、ご存知の方も多いと思いますが“ケナフ”という植物があります。木の替わりとしてもてはやされたり、外来種が日本にはびこるのを嫌ってバッシングを受けたり、当のケナフにとってはいい迷惑だと思いますが、このケナフでも炭が作られています。
いつも炭を買っているたらのき代の人も、商工会の女性部に頼まれてケナフの炭を焼いているようです。私の事務所のトイレにも、ケナフの炭が置いてありますよ。