ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
トップに戻る
2004年3月

その35  炭火焼          3月25日
 
いくら炭を住宅に使うようになったとは言え、炭と言えばやっぱり炭火焼、そう聞いただけでも美味しいイメージが膨らみますよね。でも、炭火で焼くとどうして美味しいのでしょうか、あるいは単なる思い込みなのでしょうか。
直火で焼く物の代表格、ヤキトリをガスで焼きます。ガスは空気を温め、その空気がヤキトリを温めて焼きます。つまり対流する熱で焼く、対流伝熱となります。
炭火も空気は温まりますが、それよりも遠赤外線で直接焼き鳥を焼く割合がずっと高くなります。遠赤外線はヤキトリの表面だけでなく、中にも届くので均一に焼く事にもなり、時間も短くてすみます。これは放射する熱で焼くので、放射伝熱と言います。感覚としては輻射熱と同じように思います。
炭火焼きは短時間でムラなく焼けるので、美味しい肉汁が流れ出さずに水分も飛ばずに、ふっくらと美味しく焼きあがると言うわけです。
遠赤外線の量は、黒炭よりも白炭(備長炭など)のほうが多いようですが、ヤキトリの味にはそう違いはないようです。通常使うのであれば、黒炭のほうが扱いやすいのでおすすめですね。
私も時々家でやります、炭火焼。この間も、イカの一夜干しに天然塩をふって炭火焼で一杯、たまりませんよねぇ、ゴクッ!!



その34  白炭と黒炭          3月18日

「炭はどれも黒いだろう」と、初めに聞いた時思いました。確かに炭は全部黒いです。
木炭の中で、400〜700℃で焼かれそのままカマの中で冷ましてから取り出した物を黒炭といいます。
800度以上で焼かれ、カマから出して土や灰をかけて冷やした物を白炭と言います。この消す時にかけた灰などで、焼きあがった時白っぽくみえるので白炭と呼ばれるそうです。
先週お話した細孔は、白炭も黒炭もそんなに変わらないようですが、遠赤外線とかマイナスイオンとかは違うのかな?と、勝手に思っています。
白炭の代表は、知らない人でも知っている“備長炭”です。ウバメガシかアラカシをつかって作る物だけを備長炭と呼ぶそうです。硬くて炭どうしをぶつけると、キンキンと金属音がします。その音を利用して、白炭で作る風鈴もあるそうです。
白炭は最初の火のつきは良くないのですが、火力、火持ちの面では最高です。
黒炭は白炭に比べると火持ちは良くありませんが、火のつきは良く、私から見ると扱いやすいです。事務所では今、たらのき代の人が焼いている黒炭を使っています。
2年程前まで、温海に白炭を焼いている人がいて、以前はその炭を使っていました。完璧と思えるほど良い炭でしたが、残念ながらその人は炭を焼くのをやめてしまいました。
最近は暖かくなってきて、事務所の火鉢もそろそろ仕事納めの時期です。
ホームセンターあたりで売っている安い炭もありますよね。バーベキュー用とか書いてますが、あれは煙たくて家の中ではNGです。炭も適材適所といったところでしょうか。



その33  木炭の効能          3月11日
 
木炭には様々な効能があるといわれています。たとえば、調湿効果・脱臭効果・マイナスイオン・遠赤外線などが上げられます。
木炭には小さな穴がたくさんあいています。木もストローを束ねたような構造だと前にお話しましたが、木炭も同じわけですね。そして、そのストローの側壁部分、そこにまた小さな穴があいていて、そのまた側壁にまたまた小さな穴があいているんだそうです。誰か見たんでしょうかねぇ。
こういった物を「多孔質材料」と言います。
湿気や匂いを吸い取るのは、ストロー部分の中の小さな穴の部分(細孔)の働きだそうです。
木炭の場合、比較的大きな細孔から微細な物まで様々な穴があいており、その表面積は、木炭1グラムに対して250〜300uあります。一箱の木炭では天文学的数字になりますね。
木炭の持つ効能については、実際にはまだ解明されていない部分が多く、経験にもとづくものが多いそうですが、古い神社などの床下に敷いてあったりするようですから、昔から調湿効果などが認められていたのでしょう。
他には、今シックハウスで話題?のホルムアルデヒドを吸収したり、コンクリートに混ぜると強度が増してクラック防止にもなるというデータもあるようです。自然の力はすごいですね。
 


その32 木炭          3月4日
 
最近、建物に木炭を使うことが増えているようです。
代表的なのは床下に敷く、あとは仕上材に混ぜる、土壌改良として使うなどがありますが、その効果はいかほどのものなのでしょうか。木炭って一体なんなのでしょう。
木はそのまま燃やして、燃料になります。暖炉の火を見ているとゆったりした気分になって、心の中まで暖まりますね。
ちょっと前まではカマドでも薪が使われていたし、囲炉裏でもそのまま薪がくべられていました。しかし、茅葺屋根ならいざ知らず、今の住宅で煙突なしに薪を燃やしては、煙たくてたまりません。
私の事務所の玄関には火鉢があって、冬になるとその火鉢に炭を入れます。炭が燃えるときは、一酸化炭素が出ますから少し換気していますが、炭火の落ち着いた匂いこそすれ、煙たくはありません。同じ大きさの炭と木を比べてみると、炭火のほうが燃えていくのに時間がかかるような気もします。
炭を焼くと言いますが、木を燃やしてしまっては炭ではなく灰になってしまいますよね。
木が燃えると言うのは、木の中の炭素が空気中の酸素と結びつくことなのだそうです。木を燃やすすと炭素は酸素と結合して空気中に二酸化炭素として飛んでいきます。炭を焼くというのは、酸素を入れないで木の温度を発火点(360〜400℃)以上に上げて、ガスや煙の成分を抜くことなのだそうです。そうすると、残った固形分が炭素=木炭ということになるそうです。
私今野、物理は得意でしたが科学は苦手でした。説明のために勉強しました。
来週は、木炭の効能についてお話します。