ネタ切れするまで続く
木曜日は木の話
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2003年7月

その3 木材(ムク材)について          7月31日

木はご存知のように針葉樹と広葉樹があります。
針葉樹は比較的目がまっすぐ通っていて、主に柱や梁などの構造材に使われます。代表選手は杉、松、桧などです。
広葉樹は仕上材や家具材等に使われる場合が多く、ケヤキ、ナラ、タモ等があります。
木材は乾燥することによって収縮、反り、割れなどの症状がでるため、乾燥が重要視されています。適正な水分は構造材で20%以下、造作材で15%以下といわれています。しかし、自然乾燥で構造材を20パーセント以下にするのは至難の業で1年以上、材の大きさによっては数年かかります。今の流通の中でそれを要求するのは無理といっても良く、どうしても必要な場合は人工乾燥されます。本来は「伐採・流通・製材・加工・現場」という作業の中で自然に乾燥していくのが理想で、1年以上のサイクルで、計画の段階から木材の調達を考えていけるといいんですけどね。
では、柱や梁にはいったヒビは強度にどのような影響があるかというと、ほとんどありません。材がヒビで2つに割れたりした場合は別ですが、それほどまでの物はまずありません。ただ表に出る柱などは見た目の問題もありヒビが入るのを嫌う傾向にあります。それをクレームの一つとして取り上げられると、自然の物だけに始末に負えません。そのため狂いの少ない集成材を用いる傾向にあります。ヒビやキズも模様のうち、ムク材にはそんな付き合い方も必要だと思います。
と言うことで、次回は集成材についての話をしたいと思います。木についてはもっと色々あるので、おいおいとお話していきたいと思います。


その2 ムク板・集成材・合板・その他木質材料          7月24日

 
先週話した、ムク材・集成材・合板・その他木質材料、分かってる人も多いと思いますがそれぞれについて説明してみます。 
・ムク材 木そのもの、製材したり挽き割ったりしただけの、つまり接着剤等で接着してない木の材料です。
・集成材 木を棒状、あるいはブロック状にしたものを接着している材料。繊維方向がお互いに平行になるように接着している。繊維方向と平行の接着面は平面で、垂直の接着面はギザギザのフィンガージョイントになっている。接着面は少ないので、見た目はムク材に近い状態にある。カウンター材や、階段材に多く使われる。
・合板 木を薄くスライスして接着剤で張り合わせたもの。いわゆるベニヤ板という存在。繊維方向が一枚ごとに直交するように貼り合わせている。なぜか貼り合せる枚数は奇数枚と決まっている。(壁をはがして数えてみるか?)
・その他木質材料(ファイバーボード等) 木を繊維の状態にして、それを圧縮整形した材料。もはや木の原型はとどめない。そのまま見えない部分で下地等になる場合と、表面に化粧材(木単板・紙・塩ビシート等)を貼って仕上材になるものがある。
 
次回は、それぞれの特長や使い道についてお話したいと思います。
 
余談:「貼る」と「張る」
建築ではどちらも使います。国語的な厳密な意味は分かりませんが、「貼る」のほうはシート状の物を接着剤をつかって貼る場合、「クロスを貼る」と言うように使い、「張る」はボード状の物を釘などを使って「合板を壁に張る」といった場合に使います。床板は釘と接着剤の併用ですが、ボード状の場合は「張る」ですね。


その1 シックハウスと建材          7月17日

今年7月1日より建築基準法の改正に伴い、シックハウス対策のための規制が導入されました。
内容はホルムアルデヒド等を発散する仕上材(床・壁・天井)の、使用する量(面積)を制限するというものです。また、全ての居室に換気設備を設置するというものです。
仕上材で木を使うものと言えば、ムク板・集成材・合板・その他木質材料、があるわけですが、ムク板は使用制限はありません。他の材料は接着剤を使っていますので規制があります。F☆☆☆☆(フォースター)であれば使用制限はなく、F☆☆☆〜F☆☆は使用面積に制限があり、F☆は全く使用できません。
ムク板であれば問題ないし、新しい材料はほとんどがF☆☆☆☆ですので安心ですが、クロスの接着剤、塗装工事の塗料にもそれぞれ同じ規制がかけられていますので、詳しくは設計者や工務店の担当者に聞いてみてください。
と言ってもまだ施行になったばかりの法律で、役所の対応も曖昧なところがあり、これから内容を詰めていくと言ったところです。ただ、住宅に関して言えば換気設備は必ず必要になり、その分(参考:30〜50万程度)工事費がかかってくることになります。
健康に関することなので大切なのはよく分かるのですが、現場の声が反映していないようで結構混乱しているのが現状です。少し経過を見ると対応もスムーズにできる様になると思います。