温かみのある大石田弁
                         校長 海藤 三重子


先だって、用事があって横浜市のある学校に電話をしました。そのとき、
「山形県の大石田町立田沢小学校の海藤三重子と申します」と言ったのに、
大石田と田沢がなかなか通じなく、「えっ」と三回も聞き返されました。
私は、ずうずう弁なのでいつもよりは明るく丁寧に話をしたつもりでしたが、
なまりががひどかったのか、声がこもっていたのか電話に出た方には、
うまく伝わりませんでした。仕方がないので、大きいの大、石の石と一字一字
区切って分かってもらいました。地名・学校名なので分かりにくいのだろうと
思いながらも、ショックでした。


5年生が1ヶ月程前、「方言と共通語」という学習をしました。子供たちは、
お家の方からいろいろな方言を聞き、グループで表、紙芝居、劇やクイズなどに
まとめ、校内の研究会や授業参観の時に発表しました。その学習を楽しく
見せてもらいました。職員室内でも昔懐かしい方言、町内でも微妙に
言い方の違う方言、共通語に表現できない味のある方言などが話題になりました。
また、子供たちにも、「そごむす練習」「すまこ」の方言が分かるかなどと聞いたり、
話かけたりしました。

私は、大石田で生まれ、大石田で育ち、現在に至っています。ずうずう弁と
方言に浸ってきたのです。日常会話の中には、しょっちゅう方言が出てきます。
無意識のうちに方言で話をしています。改まった席では、共通語を話している
つもりですが、いつの間にか交ざっていることがあります。また、語尾は、
大石田弁そのものになって、苦笑することもあります。きっと横浜の方には
通じない原因は、この辺にありそうです。


でも、私は、やっぱり方言が好きです。方言は気負いがなく、気楽に話せるし、
気持ちがより伝わります。共通語にはない意味や情景表現もあり、方言の
奥深さを感じます。
大石田弁は、大石田の文化です。この大石田の方言を
大事にしていきたいものです。生活様式が変化し、それに付随して方言も
消えてしまうものもありますが、今ある方言を残したいと思っています。
たまに、朝会の時、大石田弁で「とんと昔」を語るときがあります。意味の
分からない方言には説明を加えながらやっていますが、今後も続けて
いきたいと思っています。
 
  この方言の意味が
 分かりますか。
  (雪に関した言葉です。)

・いぎ ・ふぎ ・はだやら 

・あごつりみづ ・すみる

・ふぎどりあう ・すが