好きこそものの上手なれ

校長 海藤 三重子

本校には、つりやビーズ細工、コンピュータ、野球に夢中になっている子供がいます。
そういう子供たちは、その道に関しては、自信をもち得々と話し始めます。土・日曜日も
喜びいさんで充実した日々を送っているかと思います。

先日、あるお母さんから、子供が自分のホームアドレスを開いたという話を聞きました。
本人に聞いてみると、「教えてもらいながら作ったのだ。今、メールが送られてきている。」
ということでした。驚いてしまいました。昼食を食べるのも忘れて夢中になって作ったと
いうことです。お母さんは、これでいいのだろうか、もっと体を動かすことに興味を持って
もらいたいが、と、やや心配そうに話しておられました。夢中になれるものがあると
言うことは、素晴らしいことです。「好きこそものの上手なれ」の通り、同じことなら
好きですることの方が、楽しみながら、幅広く・深く学べ、無意識のうちに向上して
いきます。飲み込みの早さも抜群です。子供だからとあなどれません。

昔から、好きですることには、三つの功徳があるといわれます。

一つは、楽しいから飽きない、ということです。「勉強しろ」「宿題早くやれ」とせかされて、
どなられてしかたなく10分間やる子供が、好きな野球になると、時間の経つのも忘れて
しまいます。楽しいから長続きするわけです。

二つめは、集中するので理解・上達が早く、能率も上がる、ということです。好きなだけに
夢中になり、全力で取り組みます。

三つ目は、次の意欲が沸き、また繰り返したくなる、ということです。いやいやの勉強や
仕事なら、必要以上に時間がかかったり、間に合わせの内容になったりしがちです。
ところが好きなことなら、達成感・充実感を味わい、次が楽しみになってきます。


好きな分野は、変わってくるかもしれませんが、今、夢中になってやっていることは、
プラスにこそなれ、マイナスにはなりません。大いに子供を励まし、手助けしてほしいです。
大きな自信と自己開発につながるでしょう。

スポーツの秋・芸術の秋・天高く馬肥ゆる秋です。好きなこと・好きなものを見つけ出し、
全力を傾け、夢中になる、これこそ、実りの秋になるのです。

二学期は実りの秋、こんなことが頭の中を走ります。