本校では、これまで、国語科「話すこと・聞くこと」を中心に「生き生きと学習する子供」の育成をめざして研究を進めてきた。児童は、相手意識、目的意識を明確にしたり、異学年との交流を取り入れたりしながら学習することで、学習の見通しを持ち、意欲的に取り組む姿が見られるようになってきている。また、学んだことを発表する場や生かす場、認め合う場を積極的に設定することで、話すことや聞くことを楽しむ姿が見られ、満足感を感じることができた。しかし、まだ、自ら学習に取り組もうとする意欲や粘り強さには個人差があり、学習したことを日常生活に生かしたり、言葉を通して伝え合ったり考えたりする力は不足しており、友達の学びに触れながら、自分の学びを再構成するまでには至っていない。そこで、「豊かな関わり合い」を意識した授業を工夫し、互いに学び合い、考えを深め合い、さらに高め合い、共に学ぶよさを感じ合える授業をしていけば、児童が主体的な学びを築き、意欲を持って学習に取り組んだり、自信を持って生活したりできると考え、本主題を設定した。 |
本校では、「主体的な学び」を児童一人一人が、身の回りの事象に興味関心を持ち、自ら 課題を見つけ、主体的に取り組み、課題解決を目指す中で、自分の考えを表現したり、友達の 考えに触れたりしながら、自分の考えを再構成していく活動、すなわち、「自ら学習活動を創 ること」であると捉えた。そして、それらの活動を通して、共に学ぶよさを感じながら、学習集団 として互いに高め合うことができる児童になってほしいと願っている。「共に学ぶ」とは、自分の 考えがみんなの役に立ったり、自分の力が仲間の助けになったりすること、反対に、誰かに 助けられたり、知らないことを仲間の助けで知ったりすることと捉えた。 共に学ぶ喜びを感じる授業を数多く体験することで、児童一人一人が、「学び」への自信や 意欲が高まり、自ら「学び」を築いていく力が育つものと考える。上記のことから、共に学ぶ 喜びを感じ取り、主体的な学びを築いていく力を育てるために、「豊かな関わり合い」に焦点を しぼり研究を進めていく。 さらに、その関わり合いを「教材との関わり合い」「他者との関わり合い」「他の教育活動との 関わり合い」「自分との関わり合い」の4つの視点でとらえていくことにした。これらの視点は、 学び手としての児童を捉える上で欠かせないものであると考える。「豊かな関わり合い」とは、 多様な関わり合いであり、これまでやってきたことを「関わり合い」という視点から捉え直し、 深めていきたい。また、「築く」とは、「土台をしっかりと固めた上に、学びを構築すること」であり、 「努力して作り上げる」という意味合いがある。それぞれのよさにと関わらせながら子供も 教師も共に努力して創り上げる姿勢が大事であると考えた。 |
自分の思いを大切にしながら、共に学び合い、深め合い、高め合う子供 |
低学年 | 中学年 | 高学年 |
・本時の学習に興味関心を持ち、 楽しく取り組むことができる。 |
・身の回りの事象に興味関心を持ち、 主体的に取り組み、課題解決をめざす ことができる。 |
・学習したことを日常生活に取
り入れたり、学習から生じた
新たな疑問や発見を次の学習に 生かしたりできる。 |
・友だちの考えをよく聞き、その よさを感じることができる。 |
・自分の考えと友だちの考えの違いに 気づき、よさを伝え合うことができる。 |
・自分の考えを表現したり、友達の
考えのよさに触れたりしながら自分 の考えを再構成していくことができる。 |
・本時の学習で何を学んだかをえ、 「わかった」喜びを伝えることができる。 |
友だちのよさを積極的に取り入れようと することができる。 |
・様々な活動を通して、共に学ぶ よさを感じながら、学習集団として 互いに高め合うことができる。 |
@教材との関わり合い | A友達との関わり合い | B他の教育活動との関わり合い |
☆主体的な学びを築かせる ために、教材とどう関わら せるか。 ・単元構成の工夫 ・基礎基本の明確化 |
☆自分の考えを持てるようにするための教師の支援の工夫 | ☆個々にあるいは友達と創り上げてきた学びを生かす場の工夫 |
☆主体的な学びを築かせるために、どんな教材と出会わせるか。
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☆相互交流が深まりより学びが確かに なる教師の支援は、どうあればよいか。 | |
☆交流のよさを実感させる工夫 | ||
C自 分 と の 関 わ り 合 い | ||
☆自分の学びを実感させる評価の工夫
・学習を深め、高めるための自己評価
・友達のよさを感じ取らせるための相互評価
☆学習を振り返らせる場の工夫
☆自分のよさの発見
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それぞれの学級の実態に応じながら、「関わり合い」を意識した授業実践をする。その単元で育てたい子供像を明確にし、テーマにせまるための授業作りの工夫(手立て)を明記して授業する。授業研究会は、年2回。そのうち1回は全員が国語、もう1回は、自分が教科を自由に選んで取り組む。指導主事の先生から指導を受けるのは全員国語とし、年間を通してテーマに迫るための授業を実践し、研究の日常化を図る。また、子どもの学びの過程を探り、教師の支援の成果と課題を明確にすることや指導技術を高め・教師の学びを深めるために、授業の記録をとっていく。 |
月 | 研究日、研究内容 | 授業提供 |
4月 | 校内研究全体会@ 今年度の方針1 | |
校内研究全体会A 今年度の方針2 | ||
5月 | 校内研究全体会B 指導案の形式等 | |
6月 | 授業研究会@ | 3年 5年(国語) |
授業研究会A (指導主事要請@) | 2年 4年(国語) | |
7月 | 校内研究全体会C 1学期の成果と課題 | |
9月 | 授業研究会B(指導主事要請) | 1年 5年(国語) |
10月 | 授業研究会C | 2年 4年 1年 6年 |
11月 | 校内研究全体会 | |
授業研究会D(指導主事要請) | 3年 6年(国語) | |
12月 | 校内研究全体会 1・2学期の成果と課題 | |
1月 | 研究推進委員会 | |
2月 | 校内研究全体会 本年度のまとめと来年度の見通し | |
3月 | 校内研究全体会L |