自然災害から

 

校 長    友 染 和 子

去る1021日から22日にかけて、和歌山県で行われた全国連合小学校長会研究協議会

和歌山大会に参加させてもらえた。おりしも超大型台風23号が接近する中、20日に出発した。

車中、せまりくる台風情報に不安を抱えながらの長旅、新大阪に着いたのは午後2時を

過ぎていた。南海電鉄はまだ運行していたが、山陽新幹線はすでにストップ、もしやと

思いつつ出発時間を待っていた時、南海電鉄も運行を見合わせるとのアナンス。その後、

開通へのいちるの望みを抱いて、仲間と共に数時間待ってみたがやはりだめだった。

予定外の大阪一泊となり、翌朝、台風一過の秋晴れの空、同じく足止めを食ってしまったと

思われる多くの仲間と共に、やっとの思いで会場に着いたが空席が目立っていた。

二日間の有意義な研修も終了し、ミニ新幹線つばさに乗り込んで帰路に着いた。

「学校もずい分と留守にしてしまった、やれやれこれでやっと帰れる。」

そんな思いで郡山を過ぎ、福島あたりまで来てなんとなくほっとしていたやさき、

次のようなアナンスが、

「ただ今、地震発生による線路点検のため徐行運転をします。なお、新潟は震度6、山形は震度4です。」・・・と。

「えっ! 校長室にある歴代校長先生の写真は落ちてないだろうか、何か被害は、子どもたちは、」

次々に妄想が浮かんでは振り回されたが電車はいっこうに進まず、気ばかりあせってきた。

その後、学校は何事もない事がわかったが、

テレビで映し出される新潟の被害現状や、

被災者の様子に、台風といい自然エネルギーの

すさまじさと、人間の小ささとを感じざるを得なかった。

子どもたちはこの惨状をどのように見ているのだろうか。

さっそく全校集会を開き、窮地に立った時にこそ発揮

される人間の英知と、人への優しさについて語り合った。

そんな事もあってか、ボランティア委員会から、

義援金の募金運動が提案された。また、その後の児童の

作文にも被災者への思いやりはもちろんの事、「知恵を使ってなんとしても生きぬいて見せる」といった

力強い意思も読み取られてうれしかった。

学芸会の折には、多くの皆様方より温かなお心をたくさんいただきまして、ありがとうございました。

本紙面を持って御礼申し上げます。